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2016/07/15日本ヘリマネー論、BOE、そしてFRB

イギリスが国民投票でEU離脱を決めたことで、世界経済の先行きが不透明になっています。投票直後の極端な懸念は後退しましたが、EU離脱交渉はまだ先で、不透明感が残ります。

マーケットでは、世界の中央銀行が金融緩和に傾くとの観測が拡大。特に参院選後の日本の景気刺激策、イギリスの金融緩和への期待が広がり、株価回復、債券利回り上昇、リスク通貨高につながりました。

Bloombergは、FRBのバーナンキ前議長と本田内閣官房参与(当時)が今年4月1日に会談した際に、永久国債発行のアイディアを議論したと伝えました。いわゆる「ヘリコプターマネー」を話し合ったとしています。

Barron’sは、「ヘリコプターマネー」が何を意味するかについて投資家が混乱しているが、日本政府が元利払いの必要がない無利子永久債を発行する、もしくは一度だけ使える商品券などの形で国民にお金をばらまくという見方があると解説しました。

一方、イングランド銀行(BOE)は14日に開いた金融政策委員会で政策金利を0.50%で据え置くことを決めました。資産買い入れプログラムの規模も据え置きました。予想外でしたが、議事録は8月の緩和を示唆しました。

Financial Timesは、イングランド銀行が「成長が著しく下振れする可能性がある」と指摘したものの、様子見で政策を据え置いたと報じました。Brexit(イギリスのEU離脱)の経済への打撃を見極める多くの情報を得るためだとしています。早期の緩和を期待していた金融市場にとってサプライズとなったと伝えました。

ところで、Brexitをめぐる不透明感を背景に、アメリカのFRBが早期利上げを見送るとの観測が根強くあります。The Wall Street Journalがエコノミストを対象にした調査では、半数が12月13−14日に開かれるFOMCで追加利上げを決めると予想しました。

 [July 14, 2016] No 0223015

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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