2分でわかるアメリカ

2016/07/07クリントン氏のメール問題、予想以上の深刻さ

今年11月8日のアメリカの大統領選で民主党の指名獲得を確実にしているヒラリー・クリントン氏が苦境に立たされています。

クリントン氏が国務長官時代に、私用のメールを公務に使っていた問題で、FBI(アメリカ連邦捜査局)が週末に約3時間に渡り事情聴取しました。任意の聴取で拒否することもできましたが、大統領候補という立場上、FBIの求めに応じざるをえなかったようです。前代未聞のこと。

事情聴取を終えたFBIのコミー長官は5日記者会見し、証拠不十分でクリントン氏の訴追を求めない方針を明らかにしました。だた、長官は、私用メールでやり取りした文書には、100以上の機密情報が含まれていたと述べました。

最終的には司法省の判断に委ねられますが、クリントン氏はメール問題での立件を回避できる見通しです。共和党の大統領候補指名を確実にしているドナルド・トランプ氏は「非常に不公平だ」としてFBIを批判しました。

この問題、アメリカの主要メディアはいずれもトップ級で詳しく伝えました。

The Wall Street Journalは、政治問題化したクリントン氏のメール問題は終わったというには程遠いと報じました。トランプ氏は正しい判断ができないとクリントン氏は主張してきたが、FBIの報告からクリントン氏が公正な判断ができるか疑問が生まれたとしています。

The New York Timesは、選挙戦でクリントン氏が自らの安全保障での経験、そしてアメリカ人をテロの脅威から守ってきたと一貫して主張してきたが、FBIのコミー長官の記者会見でクリントン氏の大統領としての資質が疑問になったと解説しました。

The Washington Postは、クリントン氏が刑事訴訟での立件を免れたが、FBI長官が「著しく慎重さに欠けた」と表現したことで、11月の選挙に大きく影響しそうだと伝えました。仮にクリントン氏が大統領に選ばれた場合も、メール問題がつきまとう可能性があるとしています。

[July 06, 2016] No 0223009

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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