2分でわかるアメリカ

2016/06/04米雇用「ネガティブ・サプライズ」、FRBどう動く

FRBの政策会合を今月半ばに控え注目を集めたアメリカの5月の雇用統計は「ネガティブ・サプライズ」になりました。

アメリカ労働省が3日発表した5月の雇用統計は、重視される非農業部門の雇用者数が3万8000人増にとどまり、2010年9月以来の低い伸びになりました。16万〜16万4000人増の予想を大幅に下回りました。3月と4月分は合計で5万9000人下方修正されました。

5月の失業率は4.7%と、前月比で0.3ポイント低下しました。予想の4.9%を下回りました。労働参加率は62.6%と0.2ポイント低下しました。Reutersは、失業率の低下は、労働参加率の低下を反映しているとみられると伝えました。

時間あたり賃金は前月比で5セント、率にして0.2%増えました。ただ、Reutersは、FRBの2%インフレ目標を達成するには賃金が3〜3.5%増加する必要があるとされていて、有意な賃金増加の兆候はまだ見られていないとしています。

The New York Timesは、幅広い業種の雇用が弱く、特に建設、製造、鉱山の雇用が大きく低迷、通信大手のベライゾンのストライキも影響したと報じました。6月利上げの可能性がなくなったとエコノミストが話しているとしています。

FEDウォッチャーとして知られるThe Wall Street Journalのジョン・ヒルセンラス記者は、6月の利上げはなさそうだが、7月利上げの可能性はまだあると解説しました。6月利上げに関しては、EU離脱の是非を問うイギリスの国民投票前にFOMCが開催されるため、FRBの中で懸念が出ていたとしています。イエレン議長が6日月曜日にフィラデルフィアで講演するが、弱い雇用統計を受け、追加利上げを示唆することは難しいだろうと伝えました。

Financial Timesは、弱い雇用統計を受け6月利上げは見送られる可能性が極めて高いとした上で、3月と4月分の統計も下方修正されたことから、7月利上げの可能性も低いとトレーダーが見ていると報じました。

CMEグループによりますと、金利先物市場が織り込む6月利上げの確率は4%しかありません。7月利上げの確率も低下、11月まで利上げがないとの見方を示唆する水準です。


 
 [June 03, 2016] No 0222988

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2019.02.16 更新米中協議は進展、それとも不調?アメリカと中国が北京で開いた貿易をめぐる閣僚級協議が15日、2日間の日程を終えました。両政府は来週、ワシントンで6回目(今年3回目)となる閣僚級協議を行う予定で…
  • 2019.02.15 更新実は弱かった米年末商戦、9年ぶりの大幅減アメリカ商務省が14日発表した2018年12月の小売売上高は季節調整済みで前月比1.2%の減少でした。コンセンサス予想は0.1%増でしたので、それを下回り予想外…
  • 2019.02.14 更新ドル高が影響? 米CPI横ばいアメリカ労働省が13日発表した1月の消費者物価指数(CPI)は3ヵ月連続で前月から横ばいでした。0.1%上昇がコンセンサス予想でしたので、それを下回りました。前…
  • 2019.02.13 更新100年前の呪縛と米中貿易協議アメリカと中国の貿易をめぐる次官級協議が、11日から中国商務省ではじまりました。ムニューシン財務長官とライトハイザー通商代表が12日に北京に到着、14日に始まる…
  • 2019.02.12 更新 時間がないブレグジット3月29日に定められたブレグジット(イギリスのEU離脱)まで約1カ月半。離脱後のEUとの関係を詳細に決める協定はまだ成立していません。EUの行政執行機関である欧…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカを知る)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ