2分でわかるアメリカ

2016/04/07大型買収撤回の裏側

アメリカの製薬大手ファイザーと同業のアイルランドのアラガンは6日、合併計画を撤回すると発表しました。

ファイザーとアラガンは去年11月、合併することで合意しました。1500億ドル(約16兆5000億円)規模の巨額合併で、事実上のファイザーによる買収。合併成立後は、本社を法人税率が低いアイルランドのダブリンに移す計画でした。実現すれば、世界最大の製薬会社が誕生するはずでした。

アメリカ企業が節税を狙って外国企業を買収するケースが相次いでいます。これをインバージョン(Inversion)と呼びます。批判が強まる中、アメリカ財務省が4日、企業の課税逃れを規制するための新たな措置を発表しました。2社は、新規制が破談の理由だと説明しています。

The New York Timesは、アメリカ企業が節税目的で外国へ移転することを阻止したいオバマ政権の勝利だと報じました。

The Washington Postも、オバマ政権の大勝利だと伝えました。財務省が新規制を発表後、ファイザーとアラガンは合併の経済的合理性を2日間に渡って検討したとしています。

The Wall Street Journalは、破談を受け、節税により外国企業に対する競争力を高めたいというファイザーのCEOによる長年の努力、そしてファイザーの会社分割計画が打撃を受けると解説しました。

Bloombergは、ファイザーとアラガンの合併について助言した銀行家が受け取るアドバイザリー手数料が風前のともしびになっていると伝えました。手数料は両社合わせて2億3600ドル(約259億円)になる見積もりだったとしています。ファイザーのアドバイザーは、ゴールドマン・サックス、センタービュー、そしてグッゲンハイムで、アラガン側はJPモルガン・チェースとモルガン・スタンレーだとしています。

[April 06, 2016] No 0222947

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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