2分でわかるアメリカ

2016/03/17FRB軌道修正、こう読む

アメリカの中央銀行にあたるFRBは16日、2日間に渡って金融政策を話し合ったFOMCを終え、政策金利を据え置くことを決めました。投票メンバー10人のうち、0.25%の利上げを主張したカンザスシティ地区連銀のジョージ総裁を除き、9人が現状維持に賛成しました。1月の会合に続き、追加利上げを見送りました。

声明と会合後のイエレン議長の会見では、労働参加率が改善傾向にあるものの、海外経済と金融市場にリスクがあると指摘しました。ハト派的な内容でした。

FOMC後に公表した政策金利見通しでは、FOMCの17人のメンバーが年内に2回の利上げを想定していることがわかりました。去年12月に約10年ぶりの利上げに踏み切った際、2016年は4回の利上げを想定していました。今回それを大幅に下方修正したことになります。FRBは、今年の成長率とインフレ率の見通しについて、それぞれ下方修正しました。

Reutersは、FOMCの声明を受け、金利先物市場で、6月の利上げがないとの見方が広がったと伝えました。年内の利上げはないとの観測も高まったとしています。

The Wall Street Journalは、1月の声明と比べ、海外経済と金融市場が引き続きリスクだという文言を加えたことは重要で、不透明感が消えるまで行動を控える可能性を示唆したと伝えました。4月の追加利上げが完全に消えたわけではないが、ハードルが高くなったとしています。

The Washington Postは、小売売上高や他の経済指標が弱く、世界の金融市場が低迷、コモディティ価格が下落、中国経済が減速、ドル相場が高いことなどを背景に、FRBが政策金利を据え置いたと伝えました。

Financial Timesは、マーケットの予想に一致する形で、FRBが年内に0.50%の利上げがあるとの見通しに下方修正したと報じました。ただ、FRBは、インフレ率が上昇する兆しがあり、労働市場が堅調に推移しているとの認識を示すことで、追加利上げの可能性を残したとしています。



 [March 16, 2016] No 0222933

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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