2分でわかるアメリカ

2018/05/30マーケット: 荒れる、国債混乱・株安・ユーロ安

「円に幅広い買い」


29日の欧米のマーケットは荒れました。イタリアの政局混迷が背景。大衆迎合主義の「五つ星運動」と極右政党「同盟」はマッタレッラ大統領主導の実務者内閣を拒否し、早期の再選挙を要求しました。早ければ7月29日に再選挙が実施される可能性があります。


イタリア国債は急落し、利回りが急上昇しました。イタリア2年債の利回りの1日の上昇率は25年ぶりの大きさ。イタリアの中央銀行のビスコ総裁は、マーケットがイタリアに対する信任失墜の瀬戸際にあると警告しました。ユーロ圏の短期金融市場が織り込むECBの来年6月の利上げ確率は30%に低下しました。


一方、アメリカ国債は買われ利回りが急低下し、ニューヨーク株式相場は急落しました。主要通貨に対する動きを示す米ドル指数は上昇しました。


ユーロは対米ドルで急落、1.15米ドル台まで売られ10カ月ぶりの安値を更新しました。対円では一時125円ちょうど近辺まで急落しました。


英ポンドも連れ安。対円で143円に下落しました。


米ドルは対円で108円台半ばに値を下げました。リスク回避ムードが強まり、安全資産とされる円が幅広く買われました。対中政策を含め、トランプ政権の政策の方向が不透明なことも米ドル売り円買いにつながりました。


トルコリラは対米ドルで反発。対円相場は小幅安でした。5月のインフレ率の上昇が加速した場合、トルコの中央銀行は追加利上げの用意があるとする関係者の話をブルームバーグが伝えたことが材料視されました。トルコの5月の消費者物価指数は4日発表。3日後の7日には、トルコ中銀の定例会合が予定されています。


リスク回避で南アフリカランドは対米ドルで大幅安。対円で急落しました。


原油価格は大幅下落。原油価格に敏感なカナダドルの対円相場は大幅安で取引されました。30日、カナダ中銀は金融政策を決める会合を開きます。政策金利を据え置くとの予想がコンセンサス。ポロズ総裁の記者会見のトーンが相場に影響する可能性があります。


豪ドルとNZドルも売られました。貿易をめぐり米中の緊張が高まったことが影響しました。


「欧米株、急落」


29日のヨーロッパの株式相場は急落しました。イタリア政局の混迷を嫌気、DAXは196ポイント下げました。FTSEは97ポイント下げました。


ニューヨーク株式相場も急落。イタリアの政局不安と米中の貿易摩擦への懸念が背景。恐怖指数であるVIXが急上昇、心理が悪化しました。ダウは一時500ポイント超下げました。下げ幅をやや縮めたものの、ダウは400ポイント近く下げて取引を終えました。下落率は約1.6%。ナスダックの下落率は0.5%にとどまりました。JPモルガンとモルガンスタンレーをはじめ銀行株の下げが目立ちました。


ニューヨーク原油相場は1.69%安の66米ドル73セント。金相場は0.37%安の1304米ドルでした。


NY時間29日 午後4時、東京時間30日午前5時時点の状況です。


[May 29, 2018]  No 031843908

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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