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2018/05/12マーケット: 来週、米ドルの調整進むか

「トルコリラ急落」

11日の欧米の外国為替マーケットでは、米ドルが軟調でした。

堅調なアメリカ経済、米国債の利回り上昇を背景に、今週前半は米ドルが高く推移しました。しかし、前日に発表されたアメリカの消費者物価指数が弱かったことで米ドル買いが一服しました。前日の流れが継続。対主要国の動きを示す米ドル指数は週間ベースでほぼ横ばいになりました。

ミシガン大学の消費者信頼感指数は予想を上回りました。

米ドルは対円で小幅続落。米10年債利回りが小幅上昇しましたが、反応薄でした。

ユーロは続伸。対円でも堅調でした。ECBのドラギ総裁は11日、ユーロ各国に新たな共通の財政手段が必要だとの考えを示しました。

英ポンドは小幅反発しました。イングランド銀行の慎重な姿勢を受けた前日の売りが行き過ぎだったとの見方がありました。

新興国通貨はまちまち。南アフリカランドは続伸しました。

トルコリラは急反落しました。エルドアン大統領が政策金利の引き下げを求めたことが影響しました。「高金利はすべての悪魔の父と母」と呼び、中央銀行に利下げを求める政治圧力を強めました。通貨安の抑制を話し合うため、エルドアン大統領が中銀のチェティンカヤ総裁を含む高官を招集したため、緊急利上げへの期待が高まっていました。

カナダドルは下落しました。カナダの4月の雇用統計が予想を下回りました。豪ドルとNZドルは、それぞれ小幅高でした。

「金利と地政学リスク」

来週の外国為替マーケットでは、米10年債利回りの動向、中東をはじめとする地政学リスクが相場に引き続き影響しそうです。アメリカの経済指標については、15日発表の4月の小売売上高、16日の鉱工業生産などが材料になる可能性があります。

ロイタージャパンは、来週のマーケットでは、株価の調整、アメリカの長期金利上昇の一服、地政学リスクも重なり、米ドルの下値余地が意識されやすいとの見通しを配信しました。レンジは米ドル/円が108円〜110円50銭、ユーロ/米ドルは1.1750米ドル 〜1.2050米ドルと予想しました。日本の生命保険各社のインタビューでは、米ドルの手当て買いのメドを1米ドル=105円付近とする声が複数あったとしています。

スコシアバンクは、このところの米ドル高の調整がさらに進みそうだとコメントしました。最新の月間アウトルックでは、米ドル/円の6月末の予想を108円、9月末を110円、年末を110円としました。

一方、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのアナリストは、ブルームバーグTVのインタビューで、米ドルに非常に強気だと述べました。NAFTA交渉や対中交渉などをみると、トランプ政権の通商政策に柔軟さがあるとしています。米ドルが買われる一方、ユーロは売られ、新興国通貨は軟調に推移すると予想しました。

ユーロはイタリアの連立政権樹立をめぐる動きが引き続き影響しそう。

今週は英ポンドが大きく動きました。BKアセットマネージメントのストラテジストは、イングランド銀行が11月までに利上げする確率が90%あるが、経済の鈍化を示すデータが出れば利上げ期待がさらに後退するとコメントしました。15日にはイギリスの4月の失業率が発表されます。

トルコリラの振れが大きくなっています。14日発表のトルコの3月の経常収支が材料になる可能性があります。経常赤字が拡大するかどうか。政策金利をめぐるエルドアン大統領らの発言、中銀の動きも引き続き相場に大きく影響しそうです。

「ダウ7日続伸」

11日のヨーロッパの株式相場はまちまち。FTSEは23ポイント高、DAXは21ポイント安でした。

ニューヨーク株式相場は堅調でした。ダウは91ポイント高、7日続伸しました。S&P500とナスダックは、ほぼ横ばいで取引を終えました。

ニューヨーク原油相場は0.92%安の70米ドル70セント。

金相場は下落し1320米ドルで取引を終えましたが、週間ベースでは4週間ぶりに上昇しました。

NY時間11日 午後4時、東京時間12日午前5時時点の状況です。

 [May 11, 2018]  No 031843897

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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