2分でわかるアメリカ

2017/12/30マーケット: 2018年初め、相場は静か、それとも変動?

「米ドル続落」

29日の欧米の外国為替マーケットでは、米ドルが続落しました。

アメリカの長短期債の利回り格差が縮小するフラットニング化が米ドル売りを誘いました。クリスマス前に0.65%あった米2年債と米10年債の利回り格差が0.52%に縮まりました。年末という季節要因も影響した模様。

米ドルは対円で続落。チャートの節目を一時割り込んで米ドル安が進みました。

ユーロは対米ドルで続伸、1.20台に乗せました。対円では135円台前半に上昇しました。ドイツの2017年の消費者物価指数は5年ぶりの高水準でした。

英ポンドも対米ドル、対円で高く取引されました。

主要国通貨に対する動きを示す米ドル指数は年間ベースで2012年以来初めて低下しました。

南アフリカランドの対円相場はほぼ横ばい。トルコリラは反落しました。

原油価格が高く、原油に敏感なカナダドルが対米ドル、対円で上昇しました。豪ドルとNZドルは、それぞれ対米ドルで小幅高、対円でやや軟調でした。

「2018年1週目は材料豊富」

新年1週目となる来週は材料が豊富です。日本は4日が仕事始めですが、欧米マーケットは2日に再開します。最大の注目は5日のアメリカの雇用統計。特に賃金の伸びが材料になりそうです。カナダの雇用統計も5日発表。それに先立ち、3日にはアメリカのISM製造業景況指数が発表されるほか、FRB会合の議事録が公表されます。セントルイス地区連銀のブラード総裁らFRB幹部の講演が週後半に予定されていて材料になる可能性があります。

来週の米ドル/円についてロイタージャパンは、アメリカの経済指標に一喜一憂する展開が予想されると伝えました。トランプ大統領のインフラ投資計画の発表やアメリカの3月利上げまで時間があるため、静かな滑り出しになる可能性があるとしています。日本の国内実需筋の円買いがない2日と3日に短期筋の米ドル売り攻めがあれば、111円台も視野に入るとの見方があると。レンジは、米ドル/ 円は111円50銭〜114円、ユーロ/米ドルは1.1800ドル〜1.2100ドルと予想しました。

2018年の米ドル相場については見方が分かれています。中央銀行の金融政策の方向をめぐる見通しの違いが主な背景です。

モルガンスタンレーは、2018年第1四半期は114円、年末は105円と予想。バークレイズは年初の112円から年末にかけて105円に円高米ドル安が進むとみています。

一方、BKアセットマネージメントのストラテジストは、新年の米ドル/円が120円台に戻るとは思えないが、米ドルが対円で5%上昇する可能性があるとコメントしました。ユーロは引き継ぎ注目で、短期的にユーロ/米ドルが1.21に達すると予想しました。2018年の英ポンドはブレグジット問題に揺れる年、カナダドルは強い年になりそうだとしています。
2017年は新興国通貨が堅調でした。しかし、トルコリラ相場は年後半に大きく崩れました。今後のトルコ中銀の動きが注目される中、年明け3日に12月の消費者物価指数が発表されます。トルコリラに大きく影響する可能性があります。

豪ドルとNZドルはクリスマス以降、堅調に推移しています。短期的に上昇基調が続くとの見方が優勢ですが、中期的にはいずれも緩やかに下落するとの見方が多い。このため、今後の上げ幅が限定的になる可能性があると指摘されています。ニュージーランドは2日も祝日です。

「米株、終盤に下げ幅広げる」

29日のヨーロッパの株式相場は全体的に軟調でした。DAXは62ポイント安。ただ、ロンドンのFTSEは64ポイント上げました。

2017年の取引となったニューヨーク株式マーケットは反落しました。薄商いの中、終盤に下げ幅が拡大。ダウは100ポイント超下げました。

ニューヨーク原油相場(WTI)は0.97%高の60米ドル42セント。金相場は0.93%高の1309米ドルでした。

NY時間29日 午後4時、東京時間30日午前6時時点の状況です。

新年はアメリカ東部時間3日(日本時間の4日朝)に再開します。どうぞ良いお年をお迎えください。

[December 29, 2017]  No 031843809


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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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