2分でわかるアメリカ

2017/12/16マーケット: 来週は薄商い、米ドル/円振れるか

「米ドル堅調」

15日の欧米の外国為替マーケットでは、米ドルが堅調に推移しました。売買高は低調でした。

今週半ば、FRBが慎重な姿勢を示したことを受け米ドルが幅広く売られました。しかし、前日のECB理事会後、ドラギ総裁が緩和策を維持する姿勢を示したことで米ドルが買い戻されました。この日もその動きが続きました。

ユーロは対米ドルで下落。対円でほぼ横ばいでした。

英ポンドは売られました。EUは、15日の首脳会議で、イギリスの離脱交渉について、通商問題を協議する次の段階に入ることを承認しました。

米ドルは対円で堅調でした。米国債は小動き。アメリカの税制改革への期待感が米ドルを下支えしました。法案に慎重だった上院議員が賛成に回りました。

トルコリラは対米ドルで反発。トルコ中銀の利上げ幅が予想を下回ったことで前日に急落した反動。対円では29円台に戻しました。

南アフリカランドは対米ドル、対円で急上昇しました。与党ANCの選挙人会議の党首選で、改革派のラマポーザ副大統領が優勢との観測が南アフリカランド相場を押し上げました。

カナダドルと豪ドルは、それぞれ安く取引されました。

NZドルは堅調でした。ニュージーランドのロバートソン財務相がCNBCのインタビューの中で、NZドルの相場動向は「心地よい」との認識を示しました。

「薄商いで、やや材料難」

クリスマスが近づき、来週、特に週後半の外国為替マーケットは売買高が細ることが予想されます。薄商いの場合、相場がほとんど動かない、もしくは大きく振れる、の2つのパターンがあります。

最大の材料はアメリカの税制改革。共和党は来週中に税制改革の統一法案を採決、可決することを目指しています。一方、17日が北朝鮮の金正日総書記の命日、18日が新月にあたることから北朝鮮が新たな挑発行動を起こすとの警戒が強まっています。アメリカの「ロシア疑惑」と合わせ来週のリスク要因と言えます。

アメリカの経済指標では、22日発表のPCEデフレーターが注目。21日の日銀の黒田総裁の会合後の記者会見が、特に円相場に影響する可能性があります。

ロイタージャパンは、米株に大きな調整が入らない限り、「買う理由がない」とされる円が弱含む場面がありそうだとの見通しを伝えました。一方で、地政学リスクで円が買われる余地もあるとしています。材料難でも調整的なフローが相場を左右する可能性も否定できないとしています。レンジは、米ドル/円が111円〜113円50銭、ユーロ/米ドルは1.1650米ドル〜1.1900米ドルと予想しました。

BKアセットマネージメントのストラテジストは、年末の資金移動と税制改革が来週の米ドル相場に影響しそうだとコメントしました。米ドル/円については、テクニカル的にまだ不安定で、112円を超えて円高が進む可能性もあるとしています。

スコシアバンクは、日米の利回り格差が安定していて、円への売り圧力が和らいでいるとコメントしました。最新のマンスリー・アウトルックでは、来年前半の円相場は114円、年後半は115円と予想しました。

欧州通貨は来週、材料難。マーケット全体のムードが影響しそうです。

来週は、南アフリカランドが大きく動く可能性があります。2019年からの大統領を事実上決める与党ANCの選挙人会議が今週末に開かれます。

トルコリラは今週、大きく変動しました。ロイターは、日本の個人投資家が金利収入を見越して買っているとの指摘があると伝えました。来週は目立った材料がなく、日本の個人投資家の動きがトルコリラ相場に影響する可能性があります。

NZドルはこのところ堅調に推移しています。来週19日の乳製品のオークションが材料になりそうです。豪ドルは、18日に財務省が公表する経済・財政見通しが影響する可能性があります。カナダドルをめぐっては、21日のカナダの消費者物価指数が注目されています。

「米株、最高値」

15日のヨーロッパの株式相場はまちまち。DAXは35ポイント高、FTSEは42ポイント上昇しました。

ニューヨーク株式相場は税制改革への期待感で大幅高でした。主要な株価指数であるダウ、S&P500、ナスダックがそれぞれ最高値を更新しました。

ニューヨーク原油相場(WTI)は0.46%高の57米ドル30セント。金相場は0.03%高の1257米ドルでした。


NY時間15日 午後4時、東京時間16日午前6時時点の状況です。
[December 15, 2017]  No 031843800

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.10.16 更新マーケット: 米ドル軟調、トルコリラ高い※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(15日更新)はこちら(マイページへログイン)「資源国通貨堅調」15日の欧米の外国為替マーケットでは、米ド…
  • 2018.10.13 更新マーケット: 来週の円相場、また振れるか※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(9日更新)はこちら(マイページへログイン)「ヨーロッパ通貨軟調」12日の欧米の外国為替マーケットでは、ユ…
  • 2018.10.12 更新マーケット: 米ドル全面安、ユーロ高い※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(9日更新)はこちら(マイページへログイン)「トルコリラ堅調」11日の欧米の外国為替マーケットでは、米ドル…
  • 2018.10.11 更新マーケット: 株安が米ドルに重石、カナダドル安い※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(9日更新)はこちら(マイページへログイン)「ランド反落」10日の欧米の外国為替マーケットでは、ユーロと英…
  • 2018.10.10 更新マーケット: 米債利回りにらむ、ランド高い※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(9日更新)はこちら(マイページへログイン)「ポンド反発」9日の欧米の外国為替マーケットは、米10年債の利…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカを見る)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ