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2017/11/11マーケット: 来週、米ドルはどうか

「ポンド堅調」

10日の欧米の外国為替マーケットは、英ポンドの上昇が目立ちました。

英ポンドは対米ドルで堅調、対円では一時150円目前まで買われました。イギリスの鉱工業生産指数が去年12月以来の高い伸びを記録しました。貿易赤字額は予想以上に縮小しました。ブレグジット交渉への期待感が英ポンドに追い風でした。

ユーロは対米ドル、対円で上昇しました。

米ドルは対円で安く始まりましたが、後半の取引で小幅高に転じました。米国債の利回りが上昇、米ドルを下支えしました。

トルコリラの対米ドル相場はほぼ横ばい。対円で堅調でした。

南アフリカランドは続落。財政難の中、ズマ大統領が教育の無償化に動きました。南アフリカ経済が低迷、中銀の政策余地が小さいとみられています。

カナダドルは対円で小幅高でした。

豪ドルとNZドルは、それぞれ対米ドル、対円で安く取引されました。

「米税制改革にらむ」

来週の外国為替マーケットでは、アメリカの税制改革の行方が引き続き材料になりそうです。上下両院の共和党が公表した税制改革案に温度差があります。調整に時間がかかりそうです。今週の相場の動きから、マーケットがアメリカの税制改革にいかに敏感かがわかりました。

アジア歴訪から帰国するトランプ大統領の動き、さらにロシア疑惑の進展が米ドル相場に影響する可能性があります。北朝鮮情勢にも引き続き警戒感があります。

来週発表されるアメリカの経済指標では、14日発表の生産者物価指数と15日の消費者物価指数が材料になりそうです。

ロイタージャパンは、来週の米ドル/円について、上値の重い展開になりそうだと伝えました。日本株急落と円高の2つの波を警戒する声があると。アメリカの税制改革の行方も不透明で、米金利の低下が米ドルを押し下げる可能性があるとしています。レンジは、米ドル/ 円が112円90銭〜114円30銭、ユーロ/米ドルは1.1500米ドル〜1.1700米ドルと予想しました。

BKアセットマネージメントのストラテジストは、米国債利回りと米ドル/円相場の連動性が薄れる一方で、アメリカの政治が相場を動かすと指摘。その上で、アメリカの税制改革の不確実性が高まれば米ドル/円が113円割れを試すだろうとコメントしました。

スコシアバンクは、米ドル/円について、113円41銭にある21日移動平均線が節目になっているとコメントしました。基調は中立だとしています。

マーケットウォッチによりますと、バンク・オブ・アメリカの調査で、夏以降の米ドルの上昇基調が年末まで続くか疑問視されていることがわかりました。

来週のユーロの材料は14日のユーロ圏のGDP。また、14日にフランクフルトで開催されるECBのイベントでドラギ総裁が講演を予定しているほか、FRBのイエレン議長、イングランド銀行のカーニー総裁、そして、日銀の黒田総裁がそれぞれ発言する機会があります。

英ポンドについては、14日のイギリスの消費者物価指数とブレグジットをめぐる動きが相場に影響する可能性があります。

一方、豪ドルは16日のオーストラリアの雇用統計が材料。NZドルは、中央銀行の改革をめぐる動き、中銀総裁人事をめぐる観測が影響する可能性があります。NZドルが売られすぎとの見方が一部であります。カナダドルが比較的堅調に推移していますが、来週15日のウィルキンス中銀副総裁の講演が注目されています。

今週は、南アフリカランドの下げが目立ちました。与党のANC(アフリカ民族会議)の幹部人事をめぐる混乱、経済の不透明感が背景。ブルームバーグは、高級ブランドのカルティエなどを傘下に持つリシュモンの株価が上昇すると、南アフリカランドが下落する傾向が強まっていると伝えました。

トルコリラも軟調に推移しています。アメリカとの関係悪化への懸念が重石となっています。13日発表のトルコの経常収支が注目です。

「NYダウ続落」

10日のヨーロッパの株式相場は続落。DAXは55ポイント安。FTSEは51ポイント下げました。

ニューヨーク株式相場は続落。税制改革の行方の不透明感が嫌気されました。下げ幅は限定的。ナスダックはほぼ横ばいでした。

ニューヨーク原油相場(WTI)は0.7%安の56米ドル74セント。金相場は1%安の1274米ドルでした。

NY時間10日 午後4時、東京時間11日午前6時時点の状況です。

[November 10, 2017]  No 031843776


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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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