2分でわかるアメリカ

2017/10/28マーケット: 来週の米ドル/円は115円視野か、それとも

「ユーロ続落」

27日の欧米の外国為替マーケットでは、ユーロ安が目立ちました。
前日のECB理事会後のドラギ総裁の発言が予想以上にハト派的だったことが引き続き材料になりました。FRBとECBの金融政策の方向の違いを背景に国債利回り格差が広がり、ユーロ売り米ドル買いが進みました。ユーロの対米ドル相場は一時1.158 ドルまで下落、7月20日以来の安値をつけました。週間ベースのユーロの下落率は去年第4四半期以来の大きさでした。ユーロは対円では131円台後半まで売られました。

英ポンドも続落。対円相場は149円台前半で取引されました。

米ドルは対スイスフランでパリティ(1.0)まで上昇。5月中旬以来です。

強いアメリカのGDP速報値を受け、米ドルは対円で一時114円40銭台まで上昇しました。しかし、上値の重さが意識され、見切り売りが出て前日のニューヨーク終値近辺に戻しました。トランプ大統領が来週、パウエル理事を次期FRB議長に指名するとの報道がありました。米国債利回りが低下、米ドルは対円で小幅安に転じました。

トルコリラは反発しました。前日に急落した反動で買い戻されました。南アフリカランドも堅調でした。

カナダドルは続落。カナダ中銀の慎重姿勢を背景に、アメリカとカナダの2年国債の利回り格差が拡大しました。

豪ドルは小動き。二重国籍問題で5人の議員が失職、ターンブル政権は下院の過半数を失いました。

NZドルは小幅ながら反発しました。

「来週は材料豊富」

来週の外国為替マーケットは材料が豊富です。1日のFRBの会合(FOMC)、2日のイングランド銀行の金融政策委員会、3日のアメリカの雇用統計などが相場に影響しそうです。週末にトランプ大統領がアジア歴訪に出発しますが、その前にFRBの次期議長を指名する見通しです。

来週の米ドル/円についてロイタージャパンは、やや米ドル高方向への動きが意識されるとの見通しを配信しました。株高と金利上昇の基調が続き、FRB次期議長がスタンフォード大学のテイラー教授に決まれば、3月以来の115円が視野に入りそうだとみられているとしています。レンジは、米ドル/円が112円50銭-115円50銭、ユーロ/米ドルが1.1500 ドル-1.1800ドルと予想しました。

一方、ブルームバーグは、レバレッジファンドの米ドルに対する円の売越しが7月18日以来の水準に増加したと伝えました。7月は同じくらいの規模にポジションが膨らんだ後、7週間で4%近く円高が進んだとしています。米ドルの上値には114円30銭-114円49銭、115円62銭などいくつかの抵抗線があると解説しました。

BKアセットマネージメントのストラテジストは、114円50銭が米ドル・円の強い上値抵抗線になりそうだとコメントしました。ユーロについては、FRBが一段のハト派に転じない限り、上値が重い展開が続きそうだとしています。

ユーロは31日発表のユーロ圏のGDPが材料になる可能性があります。スペインのカタルーニャ州の独立問題の行方もユーロを動かすと予想されます。

イングランド銀行は2日の会合で政策金利を引き上げると幅広く予想されています。ただ、慎重な委員もいることから、声明発表後に英ポンドが動く可能性があります。

今週後半はトルコリラと南アフリカランドが下げを加速しました。ウニクレディトのストラテジストはポンドスターリングライブに対し、南アフリカランドは不安定な相場展開が続きそうだとコメントしました。ただ、来年値を戻すと予想しました。

「NYダウ続伸」

27日のヨーロッパの株式相場は上昇しました。DAXは84ポイント高、FTSEは18ポイント上昇。堅調な決算発表が相次ぎました。カタルーニャ州がスペインからの独立を宣言したことを受け、マドリードは下落しました。

ニューヨーク株式相場は小幅続伸。アマゾン、グーグルの親会社アルファベット、マイクロソフトがそれぞれ大幅高でした。S&P500とナスダックは最高値を更新しました。メルクとシェブロンが下げ、ダウの上値を抑えました。

ニューヨーク原油相場(WTI)は2.39%高の53米ドル90セント。金相場は0.17%高の1271米ドルでした。
NY時間27日 午後4時、東京時間28日午前5時時点の状況です。

[October 27, 2017]  No 031843766

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2019.05.18 更新マーケット: 来週の円相場、ユーロ、ポンド、豪ドルは「米ドル堅調」17日の欧米の外国為替マーケットでは、米ドルが堅調でした。予想以上に強いミシガン大学の消費者信頼感指数が材料視されました。米10年国債利回りが上昇…
  • 2019.05.17 更新マーケット: 米ドル堅調、ポンド軟調「カナダドル続伸」16日の欧米の外国為替マーケットでは、米ドルが堅調に推移しました。トランプ政権が、中国通信機器大手のファーウェイへの部品輸出を禁じる制裁を決め…
  • 2019.05.16 更新マーケット: ポンド続落、カナダドル堅調「円小動き」15日の欧米の外国為替マーケットでは、全体的に小幅な値動きでした。英ポンドの下落がやや目立ちました。米ドルは対円で小幅安。1米ドル=109円50銭台…
  • 2019.05.15 更新マーケット: 米ドル反発、ポンド軟調「資源国通貨堅調」14日の欧米の外国為替マーケットでは、米ドル、資源国通貨、新興国通貨が堅調な一方、円やスイスフランが軟調でした。前日と逆の展開でした。トランプ…
  • 2019.05.14 更新マーケット: 株大荒れ・金利急低下・円高「トルコリラ安い」13日の欧米の外国為替マーケットでは、逃避買いで円が全面高でした。米中の貿易戦争が激化。中国の通貨である人民元が12月24日以来の安値をつけま…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカを見る)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ