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2017/10/07マーケット: 警戒感強い来週、米ドル/円どう動く

「米ドル高失速」

6日の欧米の外国為替マーケットでは、米ドル買いが先行しましたが、後半に失速しました。

アメリカの9月の雇用者数がハリケーンの影響で予想外に減少しましたが、賃金の伸びが注目されました。米国債利回りが上昇、米ドルは対円で一時113円40銭台に上昇しました。しかし、「北朝鮮が長距離ミサイル発射の準備をしている」とするロシアの議員の発言が伝わったことでリスク回避ムードが強まり、円が急速に買い戻されました。米ドルは対円で小幅安に転じました。

ユーロは対米ドルで小幅反発しました。対円ではほぼ横ばいでした。

英ポンドは続落。イギリスのメイ首相の辞任を求める圧力が強まりました。与党・保守党の元議長は、ブレグジット賛成派も反対派も首相の辞任を求めていると述べました。

南アフリカランドは対円で小幅安。

トルコリラは対米ドル、対円で下落しました。アメリカの雇用統計発表後に米国債利回りが上昇したことに敏感に反応しました。

カナダドルは小幅高。カナダの雇用統計で賃金が伸びたことが好感されました。

豪ドルは続落。弱い経済統計の発表が続き、豪中銀の利上げ期待が後退しました。NZドルも続落しました。連立政権の行方が不透明、重石になっています。

「警戒強い」

来週の外国為替マーケットでは、イベントリスクが意識されそうです。来週10日は北朝鮮の朝鮮労働党創立記念日。新たな挑発行動を起こす可能性があると警戒されています。また、スペインのカタルーニャ州の住民投票の公式結果が9日に発表され、そのタイミングで独立を宣言する可能性があります。

9日月曜日はアメリカのコロンバスデーですが、株式マーケットは通常通り。アメリカの経済指標では、13日の小売売上高と消費者物価指数が相場に影響する可能性があります。11日にはFRBが会合議事録を公表します。

来週の米ドル/円についてロイタージャパンは、下値リスクが警戒されるとの見通しを配信しました。北朝鮮をめぐる緊張が高まったり、ヨーロッパ発の先行き懸念が広がれば円買いが優勢となり、111円方向に向かう可能性があるとしています。一方で、アメリカの経済指標が強ければ、114円台まで上昇するとの見方もあるとしています。レンジは、米ドル/円が111円50銭〜114円50銭、ユーロ/米ドルは1.1550米ドル 〜1.1850米ドルと予想しました。

BKアセットマネジーメントのストラテジストは、アメリカの小売売上高が強ければ、米ドル/円が113円50銭近くに戻る可能性があるとコメントしました。

アメリカと北朝鮮が軍事衝突した場合、円相場が現在の水準から5〜8円程度急上昇するとの予想があります。ただ、日本が大打撃を受けると予想されることから、急上昇後に急落するとの見方も一部であります。

スコシアバンクは、最新の外国為替見通しで、長期的に米ドルの下落基調が続くと予想しました。

一方、ラッセルインベストメンツは、第4四半期(10-12月)の見通しの中で、米国債利回りが緩やかに上昇、円相場の下げ圧力になると予想しました。ユーロは軟調に推移するかもしれないが、中期的には上昇する余地があるとコメントしました。

9月に堅調だった英ポンドが今月に入り軟調に推移しています。背景は政治不安。イギリスのメイ首相の指導力が低下、保守党内が混乱しています。ポンドスターリングライブが、英ポンドの一段安を見込むINGやモルガンスタンレーの見方を伝えました。

NZドルが政局の不透明感を背景に低調です。23日の議会選挙の特別投票を含めた開票結果が7日に公表されます。連立をめぐる動きが加速。鍵を握る第3党のNZファースト党のピーターズ党首は12日までに結論を出す意向。NZドルが大きく変動する可能性があります。

豪ドルについては、下落基調が続くとの見方が優勢。来週はオーストラリアの主要な経済指標の発表がなく、米ドル相場の影響を受けやすい展開となりそうです。

「米株まちまち」

6日のヨーロッパの株式相場はまちまちでした。DAXは12ポイント安、FTSEは14ポイント高でした。

ニューヨーク株式相場もまちまち。雇用統計を受け売りが先行しましたが、終盤に下げをほぼ消しました。ダウとS&P500はほぼ横ばいで取引を終えました。ナスダックは小幅高でした。

ニューヨーク原油相場(WTI)は2.95%安の49米ドル29セント。金相場は0.13%高の1274米ドルでした。

NY時間06日 午後4時、東京時間07日午前5時時点の状況です。

[October 06, 2017]  No 031843751

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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