2分でわかるアメリカ

2017/06/17マーケット: 来週の米ドル/円、さらに振れるか

「米ドル軟調」

16日の欧米の外国為替マーケットでは、米ドルが軟調でした。

日銀の黒田総裁が16日の金融決定会合後の会見で、金融緩和の出口戦略に関し慎重な姿勢を示したことで米ドル高円安が進みました。1米ドル=111円38銭を一時つけました。ただ、欧米マーケットでは、 米2年債、米10年債の利回りがそれぞれ大幅に低下したことが影響し、円が買い戻されました。

ユーロは対米ドル、対円で上昇。英ポンドも高く取引されました。イングランド銀行の金融政策委員会のフォーブス委員は、通貨安によるインフレ押し上げの影響が過小評価されているとの認識を示しました。

トルコリラは続伸。トルコ中銀が前日の会合で金利を据え置いたことが引き続き材料視されました。

前日に急落した南アフリカランドはほぼ横ばい。落ち着きました。

原油を含めコモディティ相場が堅調。資源国通貨のカナダドルが上昇しました。豪ドルとNZドルもそれぞれ対米ドル、対円で高く推移しました。

「米利回りに注目」

来週は、FRB幹部の発言と米国債利回りの動きが相場に影響しそうです。19日にニューヨーク連銀のダドリー総裁とシカゴ地区連銀のエバンス総裁、20日にフィッシャー副議長を含め3人のFRB幹部、23日にパウエル理事ら3人の幹部が発言する機会があります。アメリカの経済指標の発表は軽め。23日に新築住宅販売件数が発表されます。

FRBが年内あと一回の利上げとバランスシート縮小の開始を示唆したことで、来週の米ドル/円が堅調に推移しそうだとロイタージャパンが伝えました。ただ、トランプ政権のロシア疑惑、原油価格やハイテク株の下落などの懸念材料があり、上値追いにも慎重さがみられそうだとしています。レンジは、米ドル/円が109円50銭〜112円50銭、ユーロ/米ドルは1.1050米ドル〜1.1250米ドルと予想しました。

BKアセットマネージメントのストラテジストは、米10年債利回りが2.20%に戻れば、米ドル/円が111円50銭の節目を抜けて上昇する可能性があるとコメントしました。

NABのストラテジストは、米ドル/円が今後高く推移すると予想。「米国債利回りが上昇すれば、114〜115円に向かうだろう」とブルームバーグにコメントしました。

今週はカナダドルが目立って上昇しました。 スコシアバンクは、カナダドル高方向で今年後半の見通しを修正しました。来週は、22日にカナダの小売売上高、23日に消費者物価指数が発表されます。

もう一つ堅調さが目立つ英ポンドは、19日から始まるイギリスのEU離脱交渉が相場に影響する可能性があります。

来週22日、ニュージーランドの中央銀行が金融政策を発表します。1.75%の政策金利を据え置くと予想されています。一方、オーストラリア中銀が20日に議事録を公表します。注目です。

「米株まちまち」

16日のヨーロッパの株式相場は上昇しました。ただ、アマゾンのホールフーズ買収のニュースを受け、小売株が全面安でした。

ニューヨーク株式相場はまちまちでした。ダウは小幅高、S&P500はほぼ横ばい。ナスダックは下落しました。個別には、ホールフーズ買収を発表したアマゾンが上昇しましたが、アップルが大幅続落しました。

ニューヨーク原油相場は0.63%高の44米ドル74セント。金相場は0.15%高の1256米ドルでした。

NY時間16日 午後4時、東京時間17日午前5時時点の状況です。

[June 16, 2017]  No 031843675

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.12.13 更新マーケット: ポンド大きく戻す、ユーロ高い「ランド堅調」12日の欧米の外国為替マーケットでは、英ポンドを買い戻す動きが目立ちました。イギリスの与党・保守党の離脱強硬派として知られるユーロピアン・リサーチ…
  • 2018.12.12 更新マーケット: ポンド続落、トルコリラ軟調「ユーロ下落」11日の欧米の外国為替マーケットでは、英ポンドが続落しました。イギリスの与党・保守党の議員らが、メイ党首(首相)の不信任投票の発動に十分な48通の…
  • 2018.12.11 更新マーケット: ポンド急落、米ドル堅調「カナダドル下落」10日の欧米の外国為替マーケットでは、英ポンドが目立って下落しました。EUと合意した離脱協定案のイギリス議会の採決が延期されたことが大きく影響…
  • 2018.12.08 更新マーケット: 来週の円振れるか、2019年はドル安か「カナダドル反発」7日の欧米の外国為替マーケットでは、英ポンドが軟調でした。カナダドルは反発しました。注目されたアメリカの雇用統計はやや弱めでした。米2年債と米…
  • 2018.12.07 更新マーケット: 円全面高、加ドル続落「米ドル軟調」6日の欧米の外国為替マーケットでは、リスク回避ムードが強く、安全資産とされる円が幅広く買われました。中国の通信機器大手ファーウェイの副会長がアメリ…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカを見る)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ