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2017/04/08マーケット: 来週の米ドル、変動するか

「米ドル堅調」

7日の欧米の外国為替マーケットでは、米ドルが堅調でした。

注目されたアメリカの雇用統計が発表された直後、米ドルが一時売られました。しかし、時間の経過で米ドルが買い戻されました。雇用者の伸びが予想を大幅に下回りましたが、労働市場が依然として堅調だとの見方が優勢になりました。

ニューヨーク連銀のダドリー総裁は7日の講演で、FRBのバランスシートの縮小と利上げを同時に実施することを回避するだろうと述べました。利上げ計画を「小休止」する可能性を示唆したものです。

米ドルの対円相場は一時110円ちょうど近辺まで売られましたが、急速に買い戻され上昇に転じました。米2年債と米10年債の利回りがそれぞれ大幅に上昇しました。

ユーロは対米ドルで下落。トランプ政権のシリア攻撃、スウェーデンでテロの疑いが強い事件が発生したことで「有事のドル買い」が入りました。

英ポンドも安く、対円で136円台まで下げる局面もありました。

南アフリカランドは対米ドルで下落、対円では横ばいでした。

トルコリラは続落しました。トルコのエルドアン大統領は、トランプ政権のシリア攻撃への支持を表明しながらも、「まだ不十分」だと述べました。

カナダドルは対円で上昇。豪ドルとNZドルはそれぞれ軟調でした。

「来週は薄商い」

来週は欧米の参加者が少なく、薄商いになるとみられます。1週間続くユダヤ教のパソバが10日から始まるほか、14日はキリスト教のイースター前の「グッド・フライデー」で英連邦やヨーロッパ主要国が祝日です。アメリカでは議会が2週間の閉会期間に入り、14日はニューヨーク株式市場が休場になります。薄商いの取引では、相場がこう着する場合と大きく変動する極端に異なる2つのパターンになることが多いです。

来週発表されるアメリカの経済指標では、14日の小売売上高と消費者物価指数が注目です。

ロイタージャパンは、来週の米ドル/円について、シリアで地政学リスクが高まったことに加え、北朝鮮問題もくすぶっているとして、リスク回避ムードが強まりそうだとの見通しを配信しました。節目の110円を割り込む可能性もあるとしています。レンジは、米ドル/円が109円〜112円、ユーロ/米ドルは1.0500ドル 〜1.0750ドルと予想しました。

スコシアバンクは、米ドルの対円相場について、110円が重要な支持線になるとした上で、逃避の円買いが進み110円を割った場合、目先108円まで下落する可能性があるとコメントしました。スコシアバンクは一方、月間見通しの中で、慎重ながら米ドル相場を楽観視しているとしています。

今週は南アフリカランドとトルコリラが大きく動きました。南アフリカランドは18日に予定されているズマ大統領の不信任案の採決、トルコリラは16日の国民投票とシリア情勢をにらんだ展開が予想されます。

豪ドルが軟調に推移しています。オーストラリアの中央銀行が雇用情勢を懸念していることから、13日発表のオーストラリアの雇用統計が注目を集めています。同じ13日に発表される中国の貿易統計は、豪ドルとNZドル相場に影響しそうです。

「米株ほぼ横ばい」

7日のヨーロッパ株式相場はまちまちでした。シリア情勢をにらんだ展開でした。

ニューヨーク株式相場はほぼ横ばいでした。地政学リスクや弱い雇用統計を受け安く推移した後、ニューヨーク連銀のダドリー総裁のコメントを受け上昇に転じました。しかし、終盤に再び売られ、前日の終値近辺で引けました。

ニューヨーク原油相場は、アメリカ軍のシリア攻撃を受け続伸しました。終値は1.04%高の52米ドル24セント。金相場は0.32%高の1257米ドルで取引を終えました。

NY時間07日午後4時、東京08日午前5時時点の状況です。

[April 07, 2017]  No 031843627

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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