2分でわかるアメリカ

2017/03/18マーケット: 来週の米ドル、下振れするか

「112円」

17日の欧米の外国為替マーケットでは、米ドルが対円で下落しました。

FRBが「緩やかな利上げペース」を維持する方針を示したことが引き続き材料になりました。FRBが利上げ方向にあるため長期的には米ドル高に動くとの見方が優勢ですが、短期的にはテクニカルな調整があるとみられています。

米ドルは対円で112円台半ばまで売られました。米2年債の利回りが低下、米10年債利回りは大幅に低下し節目の2.5%を一時割りました

ユーロは軟調でした。対米ドル、対円で下落。フランスの大統領選に関する世論調査が、第一回目投票で極右のルペン党首が首位になることを示唆したことが嫌気されました。米独首脳会議は材料になりませんでした。

英ポンドの対円相場は140円を割って下げました。スコットランドの前行政府首相が、フィナンシャルタイムズのインタビューの中で、住民投票でイギリスからの独立が決まった場合、英ポンド通貨同盟から離脱する可能性があると述べました。

トルコリラは対米ドルで小幅高。対円では小幅反落しました。

南アフリカランドの対円相場は小動きでした。

カナダドルは対円で下落。豪ドルは対米ドルで反発、対円で軟調でした。NZドルは対円で横ばいでした。

「G20が影響も」

来週のアメリカの経済指標は薄めです。FRB高官が相次いで講演を予定していて、材料になる可能性があります。特に23日のワシントンでのイエレン議長の講演が相場に影響する可能性があります。週前半は、18日に発表されるG20の財務相・中央銀行総裁会議の共同声明が材料になりそうです。

ロイタージャパンは、来週の外為マーケットについて、G20の共同声明や要人発言を消化する展開になりそうだとの見通しを伝えました。レンジは、米ドル/円が111円50銭〜114円、ユーロ/米ドルは1.0700米ドル 〜1.0900米ドルと予想しました。

BKアセットマネージメントのストラテジストは、一連のイベントを終え、米ドル/円は112円〜114円50銭のレンジが固まったようだとコメントしました。米ドルが上昇に転じる前に、一旦下押しする可能性があるとしています。

今週は英ポンドの動きが大きめでした。スコシアバンクは、イングランド銀行で利上げの議論があるが、まだ先の話であり、メイ首相が近くEU離脱を正式通告することを考えると、英ポンドが対米ドルなどで軟化しそうだとコメントしました。

来週は、NZドルの個別材料が豊富です。21日に予定されているフォンテラ主導の乳製品のオークションが注目です。2日後の23日には、ニュージーランド中銀が政策金利を発表します。1.75%の政策金利を据え置くとの予想が優勢。今後の金利政策を占う上で、声明が相場に影響しそうです。

去年のアメリカの大統領選以降、米ドル高が一方的に進みました。しかし、最近は全体的に小幅な値動きになっています。ドイツ銀行のストラテジストは、外為取引が難しくなったとブルームバーグにコメントしました。その上で、新興国通貨へのキャリートレードが考えられるが、FRBが利上げ方向にあるため、積極的になれないとしています。

「ダウ小幅安」

17日のヨーロッパの株式相場は小幅高でした。G20の共同声明を控え、積極的な取引が控えられました。

ニューヨーク株式相場は小幅安。上値が重い展開が続きました。金融株とヘルスケア株の下げが目立ちました。ナスダックは横ばいでした。

ニューヨーク原油相場は0.06%高の48米ドル78セント。金相場は0.25%高の1230米ドルで取引を終えました。

NY時間17日 午後4時、東京18日午前5時時点の状況です。

[March 17, 2017]  No 031843612

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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