2分でわかるアメリカ

2017/03/11マーケット: 来週の米ドル、大きく動く可能性も

「ユーロ大幅高」

10日の欧米の外国為替マーケットでは、ユーロの上昇が目立ちました。

ECBで資産買い入れプログラム(QE)終了前の利上げ論が浮上したことが材料になりました。ブルームバーグは、ECBの前日の理事会で、一部がQE終了前の利上げを主張したと伝えました。

ユーロは対米ドルで2月17日以来の高値をつけました。対円でも大幅高でした。

英ポンドの対円相場は小幅安。フィナンシャルタイムズは、イギリスからの独立の是非を問うスコットランドの住民投票はもはや不可避だと報じました。

米ドルは対円で買いが先行しましたが、後半の取引で下げに転じました。雇用統計が、FRBが利上げペースを速めるほど強くなかったとの見方が米ドルの上値を抑えました。米2年債と米10年債の利回りがそれぞれ大幅に低下したことが米ドル売りにつながりました。

米国債利回りの低下を受け、新興国通貨が堅調でした。南アフリカランドが上昇。トルコリラが対米ドル、対円で大幅に反発しました。

原油価格が続落しましたが、カナダドルは上昇しました。カナダの雇用統計が予想を上回りました。

豪ドルとNZドルは、それぞれ対米ドル、対円で高く取引されました。

「材料豊富」

来週は材料が豊富です。

アメリカの中央銀行であるFRBが、14日と15日にワシントンで金融政策を決める会合(FOMC)を開きます。FRB高官が相次いで利上げを示唆、雇用統計をはじめ経済指標が堅調です。0.25%の利上げがほぼ相場に織り込まれていますが、イエレン議長が会見で今後の見通しにどう言及するかが注目です。

ゴールドマンサックスは、FRBが来週の会合を含め年内に3回利上げすると予想しています。一方、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのアナリストは、年内に4回の利上げがあるとみています。

FOMCに加え、アメリカの債務上限枠の期限、そして極右の躍進が予想されているオランダの総選挙が重なるため、日本では「3月15日」が強く意識されています。日経新聞の影響ではないかと思います。ただ、ウォール街はさほど警戒していません。それより翌日の16日頃公表されるとみられるトランプ政権の予算案に関心を寄せています。

ロイタージャパンは、来週の米ドル/円について、FOMCや予算教書といった重要イベントを控え、波乱含みの展開が予想されるとの見通しを伝えました。レンジは、米ドル/円は113円50銭〜116円50銭、ユーロ/米ドルが1.0450米ドル 〜1.0700米ドルと予想しました。記事はアメリカの雇用統計の発表前に配信されていて、統計内容と反応が反映されていません。

スコシアバンクは、米ドルの対円相場の3月末を115円、6月末も115円、9月末は117円と予想しています。

来週16日、日銀とイングランド銀行がそれぞれ金融政策を決める会合を開きます。さらに、トルコの中央銀行も16日に金融政策委員会を予定しています。大統領の権限を強化する憲法改正の是非を問う国民投票を来月に控える微妙な時期。チェティンカヤ総裁がどう動くかが注目されます。

一連の中銀会合が終わった17日。G20の財務相会合がドイツのバーデンバーデンで開かれます。初参加するアメリカのムニューシン財務長官がどう発言するか。 米ドル相場に影響しそうです。アメリカの財務省内で通貨政策をめぐる意見が分かれているとの指摘もあります。

来週はまた、FOMC後の株価、米国債利回り、そして下落が止まらない原油相場の動きも材料になる可能性があります。

「米株小幅高、原油続落」

10日のヨーロッパの株式相場はまちまちでした。

ニューヨーク株式相場は小幅高。プラス圏とマイナス圏を行ったり来たりしました。

ニューヨーク原油相場は大幅に続落しました。終値は1.60%安の48米ドル49セント。

金相場は0.15%安の1201米ドルでした。

NY時間10日 午後4時、東京11日午前6時時点の状況です。

[March 10, 2017]  No 031843607

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカを見る)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ