2分でわかるアメリカ

2017/02/25マーケット: 来週、米ドル安基調続くか

「米ドル軟調」

24日の欧米の外国為替マーケットでは、米ドルが対円で売られました。

トランプ政権の税制改革がまとまるまでに時間がかかるとみられるなか、財政出動が拡大し財政が悪化するとの懸念が米ドル売りにつながりました。下院が提案した「国境税」にホワイハウスが反対したと一部のメディアが伝えたこと、ムニューシン財務相の発言などから観測が広がったものです。

米ドルは対円で112円ちょうど近辺に下落しました。米2年債と米10年債の利回りがそれぞれ低下、米ドル売りが進みました。

ユーロは対米ドルで小幅安。対円では118円台に下落しました。ドイツの2年債利回りは過去最低に低下しました。

英ポンドは軟調。対円で140円を割りました。ドイツ連銀のドンブレット理事は、イギリス国内の金融機関がブレグジット(イギリスのEU離脱)により業務の一部をEUに移転する公算だとの見方を示しました。

リスク回避で新興国通貨が売られました。トルコリラの対円相場は大幅安でした。南アフリカランドも対円で安く取引されました。

カナダドルは対米ドルで横ばい。対円では下落しました。

豪ドルとNZドルは、それぞれ対米ドル、対円で安く取引されました。

「トランプ演説」

来週の最大の材料となりそうなのはアメリカのトランプ大統領の施政方針演説です。上下両院合同会議で28日に予定されています。

BKアセットマネージメントのストラテジストは、トランプ大統領の来週の演説が、当面の米ドル/円の方向を決めるだろうとコメントしました。

ロイタージャパンは、トランプノミクスに対する期待が剥げ落ちつつある中で、「耳触りが良い」演説で一時的に米ドル高になっても、年初来の米ドル安傾向の流れを変える威力はなさそうだとの見通しを配信しました。レンジは、米ドル/円が110円50銭〜114円50銭、ユーロ/米ドルは1.0350ドル〜1.0650ドルと予想しました。

来週はまた、1日にベージュブックと呼ばれるFRBの地区連銀経済報告が公表されます。3日には、FRBのイエレン議長がシカゴで演説を予定しています。いずれも相場に影響する可能性があります。先物市場が示すFRBが3月に利上げする確率は36%、5月利上げは63%になっています。

スコシアバンクは、チャートでは短期的な米ドルの対円相場の下値は111円60銭、上値は112円60銭だとコメントしました。

JPモルガンのアジアの外国為替ストラテジストは、円高が続きそうだとの見方を示すと同時に、新興国通貨についてはショート(売り)ポジションを取るとCNBCにコメントしました。

フランスの大統領選で極右のルペン氏が勝利するとの懸念がやや後退しました。ABNアムロのストラテジストは、米ドル高が天井を打ったとブルームバーグにコメント。UBSアセットマネージメントのストラテジストは、ユーロの対米ドル相場が反発するとの見方を示しました。

「米株、終盤に戻す」

24日のヨーロッパの株式相場は下落しました。弱い決算発表が相次ぎ、心理が悪化しました。フランフルトは1.2%下落しました。

ニューヨーク株式相場は小幅高でした。売りが先行しましたが、最後の10分で買い戻されました。トランプ大統領の施政方針演説を控え、やや一服感が出ました。一部のアナリストが投資判断を引き下げたゴールドマン・サックスをはじめ金融株が軟調でした。ダウは11日連続で最高値を更新しました。

ニューヨーク原油相場は0.85%安の53米ドル99セント。金相場は0.55%高の1258米ドルでした。

NY時間24日 午後4時、東京25日午前6時時点の状況です。

[February 24, 2017]  No 031843597

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2019.02.16 更新マーケット: 来週の外為相場、米ドル方向探る「ポンド反発」15日の欧米の外国為替マーケットでは、英ポンドが反発しました。対米ドルで反発、対円相場は142円30銭近辺の英ポンド高水準で取引されました。イギリ…
  • 2019.02.15 更新マーケット: 米ドル反落、カナダドル下落「ポンド軟調」14日の欧米の外国為替マーケットでは、米ドルが反落しました。12月の小売売上高が予想外のマイナスになったことが影響しました。米10年債の利回りが大…
  • 2019.02.14 更新マーケット: 米ドル高・円安、ランド下落「NZドル高い」13日の欧米の外国為替マーケットでは、米ドルが反発しました。米ドルは対円で111円ちょうど近辺まで買われました。米2年債と米10年債の利回りが上…
  • 2019.02.13 更新 マーケット: 米ドル安・円安・株高「豪ドル堅調」12日の欧米の外国為替マーケットでは、円と米ドルが軟調でした。トランプ大統領が米中貿易協議の期限である3月1日にとらわれず延長する可能性を示唆した…
  • 2019.02.12 更新マーケット: 110円台、円軟調「ポンド軟調」11日の欧米の外国為替マーケットでは米ドルが堅調でした。主要国通貨に対する動きを示す米ドル指数が8日連続で上昇しました。米中の貿易をめぐる次官級協…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカを見る)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ