2016/05/07マーケット: 来週は静か?米ドル円に注目
ドル円=107.12円、 ユーロドル=1.1403ドル、 ポンド円=154.54円、
トルコリラ円=36.55円、豪ドルドル=0.7365ドル、NZドルドル=0.6839ドル
6日の欧米の外国為替マーケットでは、米ドルが対主要通貨でやや軟調でした。円は反発しました。
弱い雇用統計を受け、FRBの6月利上げ観測が大きく後退しました。米ドルの対円相場は106円台に下落しました。米国債利回りが上昇、ニューヨーク株式相場が上昇に転じたことで、米ドルの下げ幅は限定的でした。
ユーロは対米ドルで横ばい。対円では軟調でした。
ポンドは対円で一時153円台後半に下落しました。イギリスの統一地方選で、野党の労働党がスコットランドを中心に敗北。注目を集めたロンドン市長選では、イスラム教徒で労働党のサディック・カーン氏が勝ちました。
トルコリラの対米ドル相場はほぼ横ばい。クロス取引の対円相場は下落しました。
南アフリカランドは小動きでした。
原油価格が上昇しましたが、カナダドルは対円で82円台に下落しました。カナダの雇用統計が弱め、アルバータ州の山火事の被害が拡大、懸念が強まっています。
豪ドルとNZドルは、それぞれ対米ドル、対円で安く取引されました。
「来週は小動きか」
来週は材料がやや薄めです。アメリカでは13日発表の4月の小売売上高が注目です。
ロイタージャパンは、来週の米ドル円について、連休中の急落で蓄積された短期筋の円買いポジションが巻き戻され、自律反発する余地がありそうだとの見通しを配信しました。ただ、反発が米ドル安の基本トレンドを覆す可能性は低そうだとしています。レンジは、米ドル円が106円50銭〜110円ちょうど、ユーロ米ドルが1.1250ドル〜1.1550ドルと予想しました。
BofAメリルリンチは、顧客向け週間レポートの中で、来週は比較的静かな1週間になりそうだとコメントしました。中期的には、円高圧力が年内続くと予想。6月末の予想は109円、9月末が106円、12月末は110円としています。
一方、モルガン・スタンレーは6日、円とユーロの相場見通しを上方修正しました。ロイターが伝えました。6月末の米ドル円については従来の110円を103円に変更、ユーロ米ドルは1.06ドル から 1.16ドルへ修正しました。
また、クレディ・アグリコールのストラテジストは、米ドル相場について、長期的には上昇するとの見通しを維持するとCNBCにコメントしました。
来週12日木曜日、イングランド銀行が金融政策委員会を開きます。政策を据え置くと予想されていますが、9人のメンバーのうち1人が利下げを主張するとの見方があります。
スコシアバンクは、当面の豪ドルの対米ドル相場について、中銀の予想外の利下げを受けた急落で、100日移動平均などの節目に近づいているとコメントしました。節目を割れば、一段安になる可能性があるとしています。
BKアセット・マネージメントのストラテジストは、RBA(豪中銀)は歴史的に複数回の利下げをするが、今回は経済統計次第で様子を見る可能性があるとコメントしました。豪ドルは統計が左右するとしています。
「米株、上昇に転じる」
ダウ 17740ドル (+79ドル) S&P500 2057p (+6p) ナスダック 4736p(+19p)
6日のニューヨーク株式相場は上昇しました。弱い雇用統計を受け景気後退への懸念が広がり売りが先行しました。後半の取引で、値ごろ感から素材株を中心に買い戻されました。個別には、業績懸念を背景にアップルが下落しました。
ニューヨーク原油相場の終値は0.77%高の44ドル66セント。金相場は1.71%高の1294ドルでした。
NY時間06日 午後4時、東京時間07日午前5時の数字です。
[May 06, 2016] No 031843401
※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。
【データ提供】
松島 新(まつしま あらた)氏

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。
バックナンバー
- 2019.02.16 更新マーケット: 来週の外為相場、米ドル方向探る「ポンド反発」15日の欧米の外国為替マーケットでは、英ポンドが反発しました。対米ドルで反発、対円相場は142円30銭近辺の英ポンド高水準で取引されました。イギリ…
- 2019.02.15 更新マーケット: 米ドル反落、カナダドル下落「ポンド軟調」14日の欧米の外国為替マーケットでは、米ドルが反落しました。12月の小売売上高が予想外のマイナスになったことが影響しました。米10年債の利回りが大…
- 2019.02.14 更新マーケット: 米ドル高・円安、ランド下落「NZドル高い」13日の欧米の外国為替マーケットでは、米ドルが反発しました。米ドルは対円で111円ちょうど近辺まで買われました。米2年債と米10年債の利回りが上…
- 2019.02.13 更新 マーケット: 米ドル安・円安・株高「豪ドル堅調」12日の欧米の外国為替マーケットでは、円と米ドルが軟調でした。トランプ大統領が米中貿易協議の期限である3月1日にとらわれず延長する可能性を示唆した…
- 2019.02.12 更新マーケット: 110円台、円軟調「ポンド軟調」11日の欧米の外国為替マーケットでは米ドルが堅調でした。主要国通貨に対する動きを示す米ドル指数が8日連続で上昇しました。米中の貿易をめぐる次官級協…
「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカを見る)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。
そのほかのマーケット情報
- 今週はこう動く! マーケット羅針盤 【2019.02.12 更新】今週の注目通貨(ドルストレート)
- 日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカを知る) 【2019.02.16 更新】米中協議は進展、それとも不調?
- 日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる) 【2019.02.16 更新】トランプ非常事態宣言、次に起こること
- 週刊2分でわかる豪・NZ 【2019.02.14 更新】NZドルと豪ドル、微妙な違いが相場に反映
- 週刊2分でわかるトルコ 【2019.02.12 更新】トルコリラめぐるリスク、地方選と大統領
- 市場調査部エクスプレス Todays'Flash! 【2019.02.15 08:52 更新】米小売売上高が予想外に減少し、米ドルが下落。本日も米経済指標が材料に!?
- 市場調査部エクスプレス スポットコメント 【2019.02.15 08:03 更新】ブレグジット、メイ首相が英議会で再び敗北。次は?
- 市場調査部エクスプレス 注目のチャート 【2019.02.15 09:11 更新】英ポンド/円、下降モメンタムが強まるポイントは?
- FXニュース 最新のFXニュースヘッドラインを提供しております。
- FXチャート リアルタイムのFXチャートをご覧いただけます。
- 経済カレンダー 市場に影響を与える可能性がある各種経済イベントをカレンダーで提供しております。
- 政策金利データ 主要各国の政策金利表を提供しております。
- ヒストリカルデータ 日足・週足・月足の4本値データをダウンロード提供しております。
- 主要指標 LDN-NY関連・アジア・オセアニア関連の指標を提供しております。
- みんなのリピート 各通貨ペアのリピート注文発注状況および成立状況をご覧いただけます。