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2018/11/17マーケット: 来週さらに動くか、円、米ドル、ポンド

「米ドル軟調」

16日の欧米の外国為替マーケットでは、米ドルが軟調でした。

FRBのクラリダ副議長のハト派発言に敏感に反応しました。ダラス地区連銀のカプラン総裁が世界経済の減速に懸念を示したことも影響しました。

米ドルは対円で大幅安。21日移動平均を割り、112円台後半で取引されました。米10年債の利回りが低下、米ドル売り円買いを誘いました。

英ポンドはやや落ち着きました。対米ドルで反発しました。クロス取引の対円相場は、米ドル/円が大幅に下落した影響で軟調でした。

ユーロも対米ドルで反発、1.14米ドル台に戻しました。対円相場はほぼ横ばいでした。

豪ドルとNZドルも対米ドルで上昇、対円で横ばいでした。カナダドルは対円で下落しました。

トルコリラは対円で小幅反落。トルコの9月の鉱工業生産が前月比2.7%マイナスと落ち込みました。南アフリカランドは堅調でした。

「米中協議、欧州、薄商い」

来週木曜日はアメリカのサンクスギビングデー(感謝祭)。前日から連休を取るマーケット関係者が増え、薄商いになることが予想されます。相場がこう着状態になるか、逆に大きく振れる可能性があります。アメリカの経済指標は薄めで、目立った材料はなさそう。

材料となりそうなのが米10年債の利回り動向。世界経済の減速を懸念するFRB高官の発言が相次いだことで、利回りの低下傾向が強まっています。米中の貿易協議、イタリアの予算問題、ブレグジット問題も引き続き相場に影響することが予想されます。

ニューヨーク株式相場も米ドルに影響する可能性があります。著名な投資家が「大幅な調整がある」とコメント、不安定な展開が続くとの見方が少なくありません。原油相場、天然ガス相場も不安定な展開が続いています。

ロイタージャパンは、来週は、円高リスクがくすぶる中、売買が交錯する展開が続くとの見通しを伝えました。数多くの懸念が同時に台頭していて、逃避的な円高が発生しやすいとしています。レンジは、米ドル/円が112円〜115円、ユーロ/米ドルは1.1200米ドル 〜1.1500米ドルと予想しました。

SMBCニューヨークのマーケット担当者は、米ドルのロング(買い)ポジションが相応に溜まっていることから、米ドル売りの調整局面に入ることを予想するとコメントしました。

スコシアバンクは、円の売買高が急増、円高リスクをヘッジするコストが上がっているとコメントしました。円相場の基調が変わる兆候かもしれません。

今週はブレグジットをめぐる政治の混乱で英ポンドが大きく振れました。BKアセットマネージメントのストラテジストは、「政治のトラブルが通貨に良いことは絶対ない。合意なき離脱になれば英ポンドが一段安になるだろう」とするメモを配信しました。ユーロについては、株式相場が堅調であれば、対米ドルで1.155米ドルを試す可能性があるとしています。

INGは、ブレグジットで「悪いニュース」が出れば、英ポンドが3〜4%下落する可能性があると予想しました。

来週23日、カナダの消費者物価指数と小売売上高が発表されます。強い数字が出れば、カナダドル相場にポジティブに影響しそうです。

「ダウ続伸、週間では大幅安」

16日のヨーロッパの株式相場は下落しました。イギリスの政局混乱が影響しました。FTSEは24ポイント安。DAXは12ポイント下げました。

ニューヨーク株式相場は続伸しました。トランプ大統領による米中協議をめぐる楽観的な発言が好感されました。

ダウは123ポイント高。S&P500も上昇しましたが、ナスダックは小幅ながら下げました。週間ベースでは、ダウとナスダックが2%超下げました。

ニューヨーク原油(WTI)相場の終値は横ばいの56米ドル46セント。金相場は0.66%高の1223米ドルでした。

*NY時間16日 午後4時、東京時間17日午前6時時点の状況です。

[November 16, 2018] No 031844029

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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