週刊2分でわかる豪・NZ

2017/06/29豪ドルとNZドル、短期見通しが少し変わった

「豪ドル短期に強気」

今年4月以降、ストラテジストの間では、豪ドルに弱気、NZドルに強気な見方が優勢でした。それを反映して、豪ドルのパフォーマンスが弱め、NZドルのパフォーマンスは強めでした。

ここにきて、ストラテジストやアナリストの見方に変化がありました。

UBSのアナリストは、豪ドルが割安になっているとみています。「鉄鉱石価格が急低下する中で豪ドルが下落したが、中期フェアマーケットバリュー(公正価格)モデルで割安になっている」とUBSのアナリストがポンドスターリングライブに述べました。

これまで豪ドルが売られた背景の1つが、中国経済の減速や中国の金融政策です。UBSのアナリストは、「中国問題にも免疫ができた」と加えています。オーストラリアにとって中国は唯一の市場ではなく、世界の幅広い景気回復が豪ドルを支えるとしています。

チャート的にも、豪ドルにポジティブだとアナリストはコメントしました。豪ドルの対米ドル相場が200日移動平均を割らずに反発したとしたうえで、0.7653米ドル、その上は0.7712米ドルを目指すだろうとしています。

ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)も豪ドルの短期的な見通しを修正しました。最新のレポートの中で、第3四半期(7-9月)の豪ドルの対米ドル相場の見通しを従来の0.71米ドル から0.73米ドルに修正しました。

ただ、年末の予想は0.70米ドルで据え置きました。アメリカの賃金上昇と税制改革への期待から米ドルが第4四半期に堅調に推移するだろうとコメントしました。

短期的には豪ドル高の方向に見通しを変更、中期的には緩やかな豪ドル安の見方を維持。今週、こうした動きが増えました。

「NZドルはやや弱気方向」

豪ドルとは対照的に、NZドルについては、これまでの強気な見方が弱気の方向に変わりつつあります。

ANZは最新のレポートの中で、環境はNZドルにポジティブだが、投資家のポジションの偏り(NZドルのロングの積み上がり)や世界経済の成長の不透明感を背景に、現在の水準からNZドルを買い進めることを慎重にしたいとコメントしました。

NZドルが目先下落基調に転じるリスクがあるとしています。ただ、ニュージーランド経済が堅調なことから、下落の可能性を非常に慎重な言い回しで表現しています。クロス取引のNZドルの対円相場については、米ドル/円の方向が不明確だとしています。

バンク・オブ・ニュージーランドも、NZドルが上昇するより下落する可能性が高そうだと最新のレポートでコメントしました。主力輸出品の乳製品の価格も先週のオークションで下がったとしています。

ただ、エコノミストの多くは、中銀が利上げに転じる時期が、ニュージーランド中銀の方がオーストラリア中銀より早いと見ています。このため、中期的にはNZドルのパフォーマンスが豪ドルを上回るとの見方が優勢です。

「電気代とアメリカズカップ」

ところで、オーストラリア南部の電気代が7月1日から値上げされ、デンマークを抜いて世界一になるとABCが報じました。

ABCは、電気代が約20%上がり、南オーストラリアに住む500の家庭が貧困層水準に陥ると伝えました。

一方、ニュージーランドでは、「アメリカズカップ」をめぐる報道が目立ちます。バミューダ諸島で開催された第35回アメリカズカップで、チーム・ニュージーランドがチームUSAを抑え王者に返り咲きました。ラグビーと並び、ヨットはニュージーランドの国民的スポーツです。


[June 29, 2017 AN0096] 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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