週刊2分でわかる豪・NZ

2017/02/23お金持ち、米より豪がいい

「2年連続のトップ」

子供を世界で通用する人物に育てたい。多くの親に共通する想いです。お金持ちも同じ。世界的な有名校が多いアメリカで子供を学ばせよう。お金持ちはみんな、そう考えていると個人的に思っていました。ちょっと違いました。

南アフリカの調査会社ニュー・ワールド・ウェルスがまとめた最新のレポートでは、ミリオネア(100万米ドル超の資産を持つ個人)の移民が最も多かったのはオーストラリアでした。

2016年に移住した世界のミリオネアは8万2000人。前年の6万4000人から大幅に増えました。オーストラリアへ移住したミリオネアは1万1000人。2位のアメリカ(1万人)、3位のカナダ(8000人)を抑え2年連続でトップでした。4位にはニュージーランドが入りました。5位はイギリスで、いずれも英語圏でした。

イギリスよりニュージーランドが多いのは意外でしたが、ブレグジット(イギリスのEU離脱)の影響があるのかしれません。また、移民に厳しいトランプ大統領の誕生でアメリカが首位にならなかったと思いましたが、調査はアメリカの大統領選の前に実施されました。

レポートでは、フランスから出国したミリオネアが1万2000人もいたこともわかりました。極右のルペン氏の台頭の影響?それともテロの影響か。ちなみに中国を出国したミリオネアは9000人でした。

オーストラリアの何がミリオネアに魅力なのか。ニュー・ワールド・ウェルスの調査責任者は、治安の良さと教育環境の良さ、そしてアジアに近いことをオーストラリアへ移住するお金持ちが多い理由にあげました。アジアに近いというのは、中国人移民のミリオネアが多いことを示していると思います。オーストラリア政府が富裕層を優遇したビザ(入国査証)を発行していることもオーストラリアへ向かわせる理由になっています。

先月、オーストラリア最大都市のシドニーを訪問しましたが、なんとなくお金持ちに好まれる理由がわかる気がします。快適で便利、なにより社会が移民や外国人に寛容です。ローカルの人に道を聞くと、日本人以上に懇切丁寧に教えてくれました。

1年後に発表される2017年版のレポートでは、アメリカの順位が下がっているかもしれません。異色の大統領がいるから。たぶん。

「上値追わない豪ドル」

豪ドルはこのところ堅調に推移しています。主力輸出品の鉄鉱石の価格が高く推移していることが豪ドルを支えていると指摘されています。

ANZは、ファンダメンタルズが強いにもかかわらず、豪ドルの対米相場が0.76〜 0.77米ドルのレンジを上抜け出来ないでいるとコメントしました。目先の注目は、来週1日発表のオーストラリアの第4四半期のGDPです。第3四半期はマイナス成長でした。

豪ドルに比べNZドルはやや軟調です。21日に実施された組合大手フォンテラが主導する乳製品のGDTオークションは予想通り低調でした。今月の会合後の声明でニュージーランドの中央銀行が予想外に利下げを示唆こともNZドルがやや軟調な背景だとみられます。

ただ、ニュージーランド経済が比較的堅調なことから、NZドルの下値は限定的だと予想されます。ANZは、NZドル相場の目先の見通しを中立とし、マーケット全体の動きに左右されやすいとコメントしました。


[February 23, 2017 AN0078]

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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