週刊2分でわかる豪・NZ

2017/01/26トランプ支持のビリオネア、なぜNZ国籍取得?

「ピーター・シエル」

ペイパルの共同創業者。そして、フェイスブックに初期段階で投資したことで知られるヘッジファンドを経営するアメリカのビリオネアが、ニュージーランドの国籍を所得。現地で大きな話題になっています。

ニュージーランド国籍を取得したのはピーター・シエル氏。フォーブスによりますと、個人資産額は27億米ドル(約3051億円)。アメリカの大統領選でドナルド・トランプ氏を支持したビリオネアとしても有名です。

シエル氏は、2015年にニュージーランドの南島グレンドゥーベイの湖沿いに豪邸を購入しました。さらに、シエル氏は、ニュージーランド拠点のネット企業に投資したことも明らかになっています。

ニュージーランド・ヘラルドは24日、シエル氏がニュージーランド国籍を取得したとのスクープを報じ、欧米の主要メディアが「なぜだ」と伝えました。

ニュージーランド国内では、シエル氏が国籍を取得した理由よりも、なぜ取得できたのかが話題になりました。議会でも取り上げられました。

ニュージーランド国籍は、両親がニュージーランド人、ニュージーランド生まれ、もしくは、過去5年間のほとんどの期間をニュージーランドに居住することが条件になっています。ドイツ移民でアメリカ・カリフォルニアに暮らすシエル氏はいずれの条件も満たしていません。

ビリオネアだから、税金対策か、あるいはトランプ大統領に近いから国籍を与えたのではないか。そんな疑惑が広がっています。

自然が豊かで英語圏のニュージーランド。過去に多くのビリオネアが住宅を購入しています。アメリカの映画監督ジェームス・キャメロン氏、中国アリババ創業者のジャック・マー会長、香港の投資家マイケル・ノック氏らが豪邸を買い、現在も所有しています。このうち、ジェームス・キャメロン氏はニュージーランド国籍を取得したとされています。数年前のこと。いずれにせよ、ニュージーランドはお金持ちに魅力があるようです。

「NZドル堅調の見方」

NZドルはこのところ堅調に推移しています。トランプ政権をにらんだマーケット全体の動きに影響されると指摘されていますが、目先は堅調に推移すると多くのマーケット関係者がみています。

ANZは、健全な経済成長+高利回り+柔軟性がある財政+安定した政治というコンビネーションは力強く、どのOECD加盟国と比較しても優良だとコメントしました。NZドルは、対豪ドルで下落した局面では買いに支えられることが予想されるとしています。

「弱かったCPI」

豪ドルもこのところ堅調に推移していましたが、25日の取引で売られました。オーストラリアの去年第4四半期の消費者物価指数(CPI)が0.5%上昇と、予想の0.7%上昇を下回ったことが影響しました。

オーストラリアの中央銀行が政策金利を引き上げるより、引き下げる可能性が高いとの見方がマーケットに広がりました。AMPキャピタルのエコノミストは「追加利下げの可能性を十分に残す内容だ」とロイターにコメントしました。エコノミストは、中銀の2月の会合では金利が据え置かれるものの、年後半に利下げがあると予想しています。年後半にも利上げするとみられているニュージーランド中銀と比べ、政策の方向に差が出る可能性がありそうです。

豪ドルは利下げ観測を背景に目先、弱含むかもしれません。クロス取引の対円相場は、トランプ政権をにらんで振れが大きい米ドル/円の動きの影響を受けそうです。


 
[January 26, 2017 AN0074] 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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