週刊2分でわかる豪・NZ

2017/01/052025年のNZドルと金利はどうか

「世界で2番目に安全な航空会社」

かつてオーストラリアのカンタス航空は世界で最も安全な航空会社とされました。しかし、時代が変わりました。

ドイツを拠点に世界の航空会社の安全性を過去30年に渡り調査しているJACDECがまとめた2017年1月時点のランキングによりますと、世界で最も安全な航空会社は香港のキャセイパシフィック航空でした。そして2位にニュージーランド航空が入りました。http://bit.ly/2hRIDSp

現時点でトップ12まで発表されていますが、カンタス航空の名前がありません。アメリカの航空会社も見当たりません。日本航空は10位、そして全日空が11位にランキングされました。ボトム3位も公表されましたが、最も低い60位は台湾のチャイナエアラインでした。

「弱かったオークション」

3日に実施されたニュージーランドの大手酪農組合フォンテラが主導する乳製品のGDTオークションは低調でした。GDT価格指数が3.9%低下しました。前回に続いて指数が低下しました。年始の開催だった影響で入札数が過去15回のオークションで最低でした。

ただ、NZドル相場への影響は限定的でした。乳製品はニュージーランドの主力輸出品ですが、価格が今後上昇するとの予想が優勢だからです。

フォンテラは酪農家からの牛乳の平均出荷価格がキロあたり6NZドルまで上昇すると予想しています。これは酪農家の損益分岐点とされる5.05NZドルを大幅に上回ると予想したものです。

大手金融機関のエコノミストも、世界の需給の改善を受けて乳製品価格が上昇基調になると見ています。ASBのエコノミストは、3日のオークションの価格低下は調整に過ぎず、乳製品価格が上昇基調にあることは変わらないとニュージーランド・ヘラルドにコメントしました。

「強気な見方」

BNZ(バンク・オブ・ニュージーランド)は5日付けのレポートの中で、リスク選好ムードが強く、コモディティ価格が堅調、ニュージーランドの中央銀行が2017年後半から2018年にかけて金融引き締めの方向にあることでNZドル相場が堅調に推移しそうだとの見方を示しました。NZドル相場が今月末までに今年9月の利上げを織り込む可能性があるとしています。

もっと先はどうか。大手銀行ウエストパックの2025年までの見通しによりますと、ニュージーランド中銀の政策金利であるオフィシャルキャッシュレートが2022年末までに3.00%に上昇、2025年まで維持されます。

ウエストパックの長期見通しでは、東京オリンピックの年である2020年末のNZドルの対米ドル相場が0.62米ドル、そして対円相場は80円60銭と予想しています。その5年後の2025年末のNZドルの対米ドル相場は0.67米ドル、そして対円相場が87円10銭と見ています。あくまでも去年12月中旬時点の予想で、今後大幅に変わる可能性があると思いますが、興味深いです。

「鉄鉱石価格に弱気な見方」

2017年の豪ドルは堅調に始動しました。ただ、先行きは不透明です。オーストラリアの主力輸出品の鉄鉱石の価格に慎重な見方が増えているからです。

鉄鉱石価格は2016年、中国の旺盛な需要を背景に81%も上昇しました。しかし、価格が反転すると予想されています。ブルームバーグによりますと、2016年第4四半期の鉄鉱石相場を正確に予想したRBCキャピタル・マーケッツは、鉄鉱石が現在の価格水準を維持するのは困難で下落基調になると予想しました。

ニュージーランドと異なり、オーストラリアの中央銀行が金融緩和を続けるとの見方も豪ドルの重石になる可能性があります。

2017年は、豪ドルとNZドルの相場の方向が異なるかもしれません。


 [January 05, 2017 AN0071] 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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