週刊2分でわかる豪・NZ

2016/12/29米豪金利が逆転するとき

「1858年以来の猛暑」

シドニー・モーニング・ヘラルドによりますと、オーストラリアは記録的な猛暑。最大都市シドニーの29日の気温は摂氏37度。郊外のペンリスの最高気温は42度に達するとの予報です。

12月のシドニーの気温がこれほど上がるのは1858年以来のことだそうです。夜も気温が下がらず、いわゆる熱帯夜。湿度が高いため、気温以上に暑く感じるとヘラルドが伝えました。

一方、ニュージーランドの最大都市オークランドは22度前後と快適。ただ、記録的な乾燥。というより雨が降らない。1月には嵐が襲うとの予報がありますが、こちらの気象も異常です。

気候変動、地球温暖化が南半球でも進んでいます。

「2017年の見通し」

今年最後の「2分でわかる豪・NZ」では、ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)とバンク・オブ・ニュージランド(BNZ)のエコノミストとストラテジストによる2017年の見通しをご紹介します。

見通しは6つのカテゴリーに分かれています。最初は世界的なリフレーション。デフレから抜け出したものの、本格的なインフレーション(物価上昇)には達していない状態をリフレーション、短くしてリフレと言いますが、世界規模でリフレが起こるだろうと予想しました。

2つ目は米ドルがどこまで高くなるか。別の言い方では、豪ドルとNZドルがどこまで安くなるかです。米ドル高基調が続くとしていますが、対豪ドル、対NZドルの上昇率が10%を越すことはないと見ています。豪ドルの対米ドル相場が2017年に0.70ドルまで下落、NZドルは対米ドルで0.67ドルに下落すると予想しました。豪ドルの対円相場については83円との見通し。

3つ目は興味深い。オーストラリアの中央銀行(RBA)が利下げする一方で、アメリカのFRBが利上げするため、豪ドルベースの金融資産に影響しそうだというものです。

現在RBAの政策金利がFRBの政策金利を0.75%上回っていますが、それが逆転。FRBの政策金利が2017年末までにRBAの政策金利を0.25%上回り、2018年末までに格差が1.00%まで拡大するとの予想です。当然ですが、米ドルで調達した資金をオーストラリアの資産に投資するキャリートレードは巻き戻され、その次の展開として豪ドルで調達した資金がアメリカに向かうことも予想されます。

4つ目は国債利回り。RBAが2017年に2度利下げするとの予想から、豪国債の利回りが低下方向に動くと予想。一方、NZ国債の利回りは2017年初めに低下するが、いずれニュージーランド中銀(RBNZ)が利上げサイクルに転換する可能性があり、その影響を受けるだろうとしています。

5つ目は、アメリカのトランプ政権が始動することを受け、債券と外国為替マーケットのボラティリティが高くなるとの予想。6つ目は社債市場。オーストラリアとアメリカの銀行はニュートラル、ヨーロッパの銀行は「アンダーパフォーム」としています。

2017年も引き続き、オーストラリアとニュージーランドの情報を週に一度特集してお伝えします。今年は豪ドルとNZドルが類似した動きを示しましたが、来年は方向が変わる可能性があります。2017年の世界のテーマは米ドルだと思いますが、その動きを受けた豪ドルとNZドルに関する動きを、現地情報と合わせできるだけ丁寧にウォッチしたいと思います。よろしくお願いいいたします。

良いお年をお迎えください。
 
[December 29, 20.16 AN0070]

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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