週刊2分でわかる豪・NZ

2018/11/08NZドル、上昇基調に転じるか

「金利据え置き」


ニュージーランドの中央銀行にあたる準備銀行(RBNZ)は、8日に開いた金融政策委員会で1.75%の政策金利を据え置きました。市場の予想通り。金利据え置きは2年に及び、14会合連続で政策金利を変えなかったことになります。


オア総裁は声明で、景気とインフレ率の見通しに上振れと下振れの両方のリスクがあるとの認識を示しました。その上で、2019年〜2020年にかけて現在の金利水準を維持すると述べました。


前の2会合の声明では、次の動きは利上げと利下げのいずれかの可能性があるとしていました。今回の声明では「将来の政策金利の方向は経済データ次第」としていて、「利下げ」という文言が消えました。RBNZがやや楽観的になったとも受け止められますが、声明の全体的なトーンは中立的でした。
RBNZの会合のマーケットの反応は限定的。ただ、会合前にNZドルは対米ドル、対円で高く取引されていました。


「予想はるかに超えた雇用」


ニュージーランド政府の統計局が7日に発表した第3四半期(7−9月)の雇用統計は、市場予想をはるかに超えるものでした。


就業者数は3万人増。前期比で1.1%増えました。コンセンサスの0.5%を大幅に上回りました。前年同期比では2.8%増。予想は2.0%の増加でした。


第3四半期の失業率は3.9%、第2四半期の4.4%から大幅に改善しました。コンセンサスは4.5%でした。


さらに、労働参加率は70.9% から71.1%へ改善。1時間あたりの賃金は1.4%上昇、市場予想(0.8%)を超えて賃金が増えました。


バンク・オブ・ニュージーランド(BNZ)は、第3四半期の雇用統計は「ビッグサプライズ」だったとコメントしました。「持続可能な完全雇用の状態にある中で、RBNZが利下げを真剣に検討することは考えられない」としています。


強い雇用統計を受け、NZドルが対米ドルで積極的に買われ、対円相場は77円台に乗せました。


ポンドスターリングライブは、「強い統計を受け節目を上抜け、NZドルにブル(強気)な見方が増えた」としています。


「豪中銀も据え置き」


RBNZ会合の2日前、オーストラリアの中央銀行である準備銀行(RBA)は、過去最低水準1.5%の政策金利を市場の予想通り据え置きました。25会合連続の据え置きです。


ロウ総裁は声明で、インフレ率と賃金の伸びの鈍さを指摘しました。


RBAは9日に最新の経済見通しを発表する予定。豪ドルに影響する可能性があります。


豪ドルの対米ドル相場は11月に入り上昇傾向にあります。アメリカの中間選挙でサプライズがなく、不透明感が消えたことで、リスク資産である株式が大幅高。豪ドルも連れ高しました。


豪ドルもNZドルも米中貿易戦争の行方に敏感で、今月末に予定される米中首脳会談を控えた動きに反応することが予想されます。


[November 08, 2018 AN0166] 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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