週刊2分でわかる豪・NZ

2018/07/12売り圧力にさらされるNZドルと豪ドル

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「加ドル、豪ドル、NZドル」

通商問題に敏感な3つの資源国通貨。11日の欧米の外国為替マーケットでは、異なる動きとなりました。

アメリカのトランプ政権が10日夜、2000億米ドル(約22兆4000億円)相当の中国産の農産物、衣料品、消費財など幅広い品目に10%の制裁関税を課す方針を示しました。テクノロジー関連商品に対する25%の関税を6日に発動したばかり。米中の貿易戦争がエスカレートしたことに投資家は反応しました。

カナダドル、豪ドル、NZドルがいずれも対米ドルで下落しました。しかし、国境を接し、アメリカとの貿易依存度が高いカナダへの影響は小さいとの見方で、カナダドルの下げは限定的でした。原油価格が急落しましたが、カナダドルの下値の堅さが意識されました。カナダドルの対円相場は上昇しました。

これに対し、豪ドルとNZドルの下げは大幅でした。対円でも安く取引されました。オーストラリアとニュージーランドは、いずれも中国が最大の貿易相手。米中の貿易戦争がネガティブに大きく影響する、中国経済が減速するとの見方が背景でした。

 

「金融政策の違い」

3カ国の中央銀行の金融政策の方向の違いも相場に影響しています。

カナダの中央銀行は11日の金融政策委員会で、政策金利である翌日物金利の誘導目標を0.25 % 引き上げ、1.50%にすることを決めました。声明で、貿易戦争への懸念を示したものの、景気認識を上方修正、追加利上げを示唆しました。

カナダ中銀が、年内にもう1回、2019年に2回もしくは3回の追加利上げをするとエコノミストらが予想しています。0.25%ずつ、あと4回の追加利上げがあったと仮定すると、政策金利は2019年末までに2.50%に達することになります。アメリカのFRBも利上げサイクルにありますが、カナダ中銀はそれと連動する可能性が高いと言えます。

一方、オーストラリアの中央銀行にあたる準備銀行(RBA)は今月3日の金融政策委員会で、政策金利であるオフィシャル・キャッシュレートを過去最低の1.50%に据え置きました。声明では、慎重な見方を示しました。

3日の会合を受け、大手銀行ANZのRBAバイアス指数がタカ派的から中立へ低下しました。2019年6月末までは、1.50%の政策金利が維持されるとANZは予想しています。

ANZは、ニュージーランドの中央銀行にあたる準備銀行(RBNZ)も2019年9月末までは利上げしないとみています。RBNZは金融引き締めに慎重で、利上げに転じるのは早くても2019年第4四半期(10−12月)との見通しを示しています。

カナダ中銀と、RBAおよびRBNZの金融政策の方向の違いは鮮明です。金利がほぼ並び、いずれ逆転するのは確実とみられます。今後のカナダドルにポジティブに、豪ドルとNZドルにネガティブに影響する可能性が高そうです。

 

「弱気見通し」

バンク・オブ・ニュージーランドは、最新の通貨アウトルックで、NZドルが中期的に軟調に推移しそうだとコメントしました。世界的な金融引き締め局面では、歴史的にNZドルが下落してきたとしています。NZドルは中期的に、対円でも下げ圧力が強いとしています。NZドルが反発しても短命で終わる可能性が高いと予想しました。

カナダで開催されたG7首脳会議で貿易をめぐる対立が激化した6月はじめ以降、豪ドルの対米ドル相場が1%近く下落しました。摩擦が貿易戦争に発展、豪ドルの売り圧力が強まりました。

貿易戦争の激化を受け、米ドルは対円での上昇傾向を強めています。クロス取引である豪ドル/円とNZドル/円は、その影響を受けそうです。

 

 [July 12, 2018 AN0149] 

 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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