週刊2分でわかる豪・NZ

2018/05/31豪ドルの底みえた?

「67%減」


オーストラリアの主要メディアで、不動産価格の下落に関するニュースが目立って増えました。2大都市のシドニーとメルボルンの住宅価格の下げが特に目立つとしています。外国人による不動産投資ブームが終わったとの報道もありました。


オーストラリア政府の外国投資審査委員会(FIRB)が29日に公表した2016/2017年の年次レポートによりますと、承認された外国人による住宅投資は前年比で67%も減少しました。


連邦政府と州政府が去年導入した、外国人による不動産投資を制限する新たな規制が背景にあると指摘されています。税制上の優遇措置が縮小される一方、外国人の不動産投資に対する新たな特別税が導入。不動産開発販売も制限されました。


オーストラリアの不動産市場には、中国人が積極的に投資をしてきました。いわゆる「爆買い」。シドニーの中心街を訪れた人は中国人の多さに驚きます。個人的にもビックリしました。上海や香港を歩いているのではないかと錯覚するほど。不動産会社の看板や物件案内は中国語での表記が普通になっています。


しかし、ブームは2016年にピークを打った模様です。2017年の住宅投資の国別では中国が依然としてトップでしたが、前年比で半分以下に減りました。2位はカナダ、さらにアメリカ、シンガポール、マレーシアが続きました。

 

中国人らによる商業不動産への投資も急減。外国人が占める農地のシェアも低下しました。


大手銀行ANZは最新のレポートで、住宅市場に非常に注目していて、弱さが本格化するなら、経済見通しを脅かすものとなるだろうとコメントしました。

 

「豪ドル底近いとの見方」

 

不動産価格の下落、外国人の投資減が経済全体に波及する場合、豪ドルのネガティブ要因になる可能性があります。ただ、当面の底が近く、いずれ上昇基調に転じるとの見方もあります。


オーストラリア経済が相当期間にわたり過去最低の政策金利を据え置く方針を示したこと、米豪の金利が逆転したこと、中国経済の減速リスク、地政学リスクなどを背景に、豪ドルは過去6カ月間にわたり下落基調が続きました。


バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのストラテジストは、すべての悪材料が織り込まれたとして、近く上昇基調に転じると予想しています。ポンドスターリングライブが伝えました。豪ドルは今後、特に先進国の通貨に対して上昇する可能性があるとしています。豪ドルが過小評価されているとの見方です。

 

30日の欧米のマーケットでは、マーケット全体のリスク選好ムードの追い風を受け、豪ドルが対米ドル、対円で大幅に反発しました。当面、マーケット全体の心理の影響を受ける動きが予想されます。

 

豪ドルの目先の材料は、4日発表の4月の小売売上高、5日の中央銀行の金融政策委員会、そして6日の第1四半期のGDPです。来週は材料が豊富です。

 

「マイコプラズマ」

 

イタリアの政局混迷、米中の貿易摩擦、ブレグジット(イギリスのEU離脱)をめぐる不透明感などを背景に、今週のマーケットでは地政学リスクが高まりました。ただ、30日の欧米の取引では、イタリア政局への懸念がやや後退したことで、NZドルは大幅に反発しました。豪ドルと連動した動き。過去2カ月間ほど下落基調が続き、「売られ過ぎた」との見方もNZドルを下支えしていると指摘されています。


ただ、懸念もあります。「マイコプラズマ」と呼ばれる病原菌の乳牛への影響がニュージーランド経済全体、そしてNZドルに打撃となる可能性があります。ニュージーランド政府が対策に乗り出しましたが、先行きは不透明です。乳製品はニュージーランドの主力産業であり、主要な輸出品であるため、注目を集めています。


バンク・オブ・ニュージーランドは、最新の見通しで、NZドルの対米ドル相場が来年3月まで現在の水準よりやや高い0.70 〜0.71の狭いレンジで推移すると予想しました。対円相場は緩やかに下落、来年末は70円との見通しです。

 

 [May 31, 2018 AN0143] 
 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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