週刊2分でわかる豪・NZ

2018/04/19NZドル「買われ過ぎ」シグナル

「NZドルの下げ目立つ」


18日のオセアニア、続く欧米の外国為替マーケットで、3つの資源国通貨の動きはまちまちでした。


カナダドルは下落しました。カナダの中央銀行は、18日に開いた金融政策委員会で1.25%の政策金利の据え置きを決めました。市場予想通りでした。声明で、カナダ経済について慎重な見通しを示したことがカナダドル売りを誘いました。期待はずれ。


一方、豪ドルは堅調でした。鉄鉱石をはじめとするコモディティ価格、米中の貿易摩擦をめぐる政治の動きをにらんだ展開。対米ドル、対円で上昇しました。NZドルは軟調。豪ドルと対照的でした。


19日には、ニュージーランドの消費者物価指数、オーストラリアの雇用統計が発表されるため、それらが相場に影響すると予想されます。


3つの資源国通貨は類似した動きになるパターンが多いです。しかし今週は、そのパターンが崩れました。特に、連動することが多い豪ドルとNZドルの動きがバラバラ。それぞれの国の経済のファンダメンタルズではなく、別の理由があるとの見方があります。


「買われ過ぎか」


シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)は毎週金曜日、その週の火曜日までの通貨先物の売買を集計、公表しています。世界の投資家、特に投機筋が、どの通貨をどれくらい売買しているかがわかります。売り買いに偏りかあるかなどを把握するのに役立つとされています。


最新のデータは先週13日に発表された4月10日のもの。それによると、NZドル/米ドルの買いポジションは4万1652。これに対し、売りポジションは1万8825で、2万2827の買い越し(ネットロング)になっています。前回比は4450のプラス。売り買いの格差が拡大していることがわかります。


バンク・オブ・ニュージーランド(BNZ)は最新の為替リサーチの報告書の中で、NZドルのポジションが「買われすぎ」を示しているとコメントしました。偏りが非常に高いレベルになっているとして、NZドルは売られる可能性があると指摘しました。


具体的には、2011年8月、2012年2月、2013年4月、2014年5月、そして2017年7月に、買い越しが2万を超えたとした上で、いずれもNZドルが下落基調に転じたと説明しました。過去のパターンから、NZドルが今後4週、12週、そして24週にわたり軟調に展開するかもしれないとしています。


通貨先物のポジションはあくまでも参考であり、相場の見通しを示すものではありません。BNZは、通貨先物のポジションについては、通常軽く見るだけだが、ポジション水準が極端に偏った場合は関心を持って注視するとコメントしました。


一方、豪ドル/米ドルは2796の売り越し(ネットショート)。カナダドルは3万1672の売り越しになっています。


豪ドルに極端な偏りはありませんが、カナダドルのポジションは極端な水準になっています。カナダドルの「売られすぎ」あるいは「買いサイン」と受け止める投資家がいるかもしれません。


NZドルの当面の材料は27日発表の3月の貿易収支。豪ドルは24日の第1四半期の消費者物価指数が材料になる可能性があります。貿易依存度が高いため、いずれの通貨も米中や日米など貿易をめぐる政治の動きに敏感に反応しそうです。今週末にCMEが公表する最新の通貨先物データも相場に影響する可能性がありそうです。
 
[April 19, 2018 AN0138] 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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