週刊2分でわかる豪・NZ

2018/04/12マーケットの心理で振れる豪ドル

「リスクを意識」
豪ドルの振れがやや大きくなっています。10日の取引では、中国の習近平国家主席のボアオ・アジアフォーラムでの演説に大きく反応しました。習近平主席が、中国の市場をさらに開放、自由貿易を推進する方針を強調したことを受け、豪ドルが大幅に上昇しました。


オーストラリア経済は対中貿易への依存度が高い。オーストラリアの中央銀行である準備銀行(RBA)のロウ総裁は、パースでの11日の講演の中で、貿易摩擦の激化が世界経済の成長を妨げ、オーストラリア経済の見通しに影を落とすとの考えを示しました。豪ドル相場は通商問題、特に中国が絡む貿易の動きに非常に敏感です。


中国の習主席の演説で上振れした豪ドルですが、11日のオセアニア、続く欧米の外国為替マーケットでは、一転して売られました。シリアのアサド政権が化学兵器を使用としたとされる問題で、アメリカのトランプ政権が英仏と協力してシリアへの軍事攻撃を検討していることが影響しました。


アメリカの中央銀行にあたるFRBが利上げを続ける一方、RBAは政策金利を当面据え置くと予想されています。米豪の金利が逆転、今後格差が拡大する方向。豪ドルに向かい風となっています。


「豪ドル見通しに強弱感」


ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)は先週、豪ドルの対米ドル相場の短期モデルを見直しました。コモディティ価格の下落が主な理由です。


NABの通貨レートの最新見通しでは、豪ドルの対米ドル相場について6月末が0.78、9月末は 0,77、12月末は  0.75としています。2019年末は0.75と予想、緩やかな豪ドル安をイメージしています。


米ドル/円については、6月末が104円、9月末は103円、12月末が102円。2019年末は99円と予想しました。円高を予想しているため、クロス取引の豪ドル/円は、12月末が77円、2019年末については74円まで豪ドル安が進むとみています。


一方、オーストラリア・コモンウェルス銀行(CBA)は、豪ドルが上昇すると予想しています。対米ドルで7%程度上昇するとしています。ポンドスターリングライブが伝えました。


CBAは、米ドル安基調が豪ドルに寄与すると予想。米豪の金利逆転や貿易戦争のネガティブな影響は当初の想定より限定的になりそうだとしています。豪ドルの対米ドル相場は年末に0.83まで上昇する可能性があると予想しました。


豪ドル相場をめぐり強弱感が入り混じっています。


「NZドルも心理次第」


ニュージーランドでは今週、最大都市オークランドの大規模な停電が大きなニュースになっています。3日目に入った12日朝の時点でも、まだ5万5000世帯で停電が続いています。


NZドルについては、当面、豪ドルと類似した動きが予想されます。ただ、豪ドルと比べ、コモディティ相場に対する反応はやや鈍い可能性があります。当面の材料は19日発表のニュージーランドの第1四半期の消費者物価指数です。


 [April 12, 2018 AN0137] 
 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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