週刊2分でわかる豪・NZ

2018/03/22FRB、RBNZ、そしてRBA

「利上げと据え置き」


アメリカの中央銀行にあたるFRBは21日午後2時(日本時間の22日午前3時)、FOMCを終えました。政策金利の誘導目標を0.25%引き上げ、1.50 〜1.75%とすることを決めたとする声明を発表しました。


ちょうど2時間後。ニュージーランドの中央銀行であるRBNZは、政策金利のオフィシャル・キャッシュレートを1.75%に据え置くことを決めました。


2つの中央銀行の決定はいずれも市場予想通りでしたが、経済の先行きに自信を示したFRBと対照的に、RBNZは先行きに慎重でした。スペンサー総裁代行の声明は、「多くの不確実性があり、政策を調整する必要があるかもしれない」とする結びの文言を据え置きました。


FRBは年内に少なくともあと2回利上げすることが確実視されています。2019年も利上げは継続する見通し。一方のRBNZは、2019年半ばまで政策金利を維持すると予想しています。民間の金融機関もRBNZの利上げは2019年半ば以降だと考えています。


21日の欧米マーケット、続く22日朝のオセアニア・マーケットでは、NZドルが上昇しました。NZドルが積極的に買われたというよりも、米ドル安が影響したとみられます。


中期的にはNZドル安予想が優勢です。アメリカとニュージーランドの金利水準が逆転し、NZドルは対米ドル、そしてほとんどのクロス取引においても中期的に軟化することが予想されています。


バンク・オブ・ニュージーランドは、最新の法人向けFX戦略レポートの中で、NZドルは緩やかながら下落するとの見通しを示しました。世界的な金融引き締めにより経済成長の勢いが鈍り、コモディティ価格が低下、リスク選好ムードが弱まると予想されることが背景だとしています。


バンク・オブ・ニュージーランドは、NZドルの対米ドルの年末水準を0.70と予想しました。クロス取引の対円相場については、歴史的にみて円相場が非常に安いと分析していて、当初の予想以上にNZドル安円高が進む可能性があるとしています。年末は71円、2019年末は69円、そして2020年末は66円と予想しました。


アメリカの財政と経常収支の双子の赤字が拡大するとの見通しを背景に米ドル安が進むことが、予想が外れるリスクだとしています。


NZドル相場は当面、アメリカの動き、特に通商政策に敏感に反応する可能性があります。


「RBA利上げもまだ先か」


オーストラリアの中央銀行であるRBAの政策金利キャッシュレートは1.5%。当面据え置かれると幅広く予想されています。


ANZは最新のマクロレポートの中で、オーストラリアの経常収支の見通しを修正しました。経常赤字は2019年末までに対GDP比で4%を超えると予想しました。家計の貯蓄率の低下が影響するとみています。いずれ豪ドル相場を動かすかもしれないとしています。


ANZは、豪ドルの対米ドル相場の年末水準を0.72とする予想を変えていませんが、ボラティリティの上昇とRBAのハト派的なスタンスで弱含むとしています。


豪ドルは当面、コモディティ価格に敏感に反応しそう。目先の注目は、4月3日に予定されるRBAの金融政策を決める会合です。


[March 22, 2018 AN0134] 
 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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