週刊2分でわかる豪・NZ

2018/02/08世界同時株安で売られた豪ドル・NZドル

「金利据え置き」

ニュージーランドの中央銀行にあたる準備銀行(RBNZ)が8日の金融政策委員会で政策金利を1.75%に据え置くことを決めました。市場の予想通りでした。

RBNZは、インフレ率が目標の2%に達する時期を2020年第3四半期と予想しました。従来の2018年第2四半期という予想を大幅に下方修正した格好です。

成長見通しも下方修正。利上げ時期は2019年第2四半期という予想を維持しましたが、スペンサー総裁代行の声明と記者会見は全体的にハト派的でした。金融政策がかなりの期間、緩和的な状態が続くほか、不確定な要因が多く、政策調整の必要が生じる可能性があると指摘しました。

RBNZのハト派的な声明を受け、NZドルが売られました。対米ドルで一段安。NZドルの対円相場は急落しました。

これに先立ち、オーストラリアの準備銀行(RBA)は6日の金融政策委員会で、1.5%の政策金利を予想通り据え置きました。過去最長となる16会合連続の金利据え置きでした。

RBAのロウ総裁は声明で、「低金利が経済を引き続き支援している。失業率の一段の低下とインフレ率の目標回帰が予想されるが、進展は緩やかになる公算が大きい」と述べました。

ブルームバーグによりますと、マッコーリー銀行のエコノミストは「緩やかなという表現が鍵であり、金利が当面変わらないと中銀がタイムリーに示唆した」と分析しました。多くのアナリストが、豪中銀が当面の間、政策金利を据え置くと予想しました。

「利回り格差」

ニューヨーク株式相場の急落をきっかけにした世界同時株安が、オセニアの2カ国にも大きく影響しました。

オーストラリアとニュージーランドの株式相場が急落。ニューヨーク株式相場が上げに転じると、オーストラリアとニュージーランドの相場も上昇しました。荒い値動きでした。

この間、豪ドルとNZドルは軟調でした。株安の背景は、米国債利回りの急上昇だったことが影響しています。

米10年債の利回りは5日に一時2.88%まで上昇しました。一旦2.7%台まで戻ったものの、7日のニューヨーク債券市場では2.85%近辺まで上昇しました。

オーストラリア10年国債の利回りは2.84%近辺。米10年債利回りとの格差がなくなりました。ニュージーランドの10年国債の利回りは2.96%近辺で、米国債と10ベーシスポイント(0.1%)の開きがありますが、以前に比べると格差がほとんどなくなりました。ニュージーランドの短期金利も低下傾向にあります。経済が安定、高い金利で人気を集めた豪ドルとNZドルの投資妙味が薄れています。

加えて、世界同時株安の今週、コモディティ価格が大幅に下落しました。これも豪ドルとNZドル相場に影響しました。

中銀会合が終わり、豪ドルとNZドルを巡る目立った材料が当面ありません。ニューヨーク株式相場と米ドルの動向に当面左右されるとの見方が有力です。

アメリカとの利回り格差がなくなる状況が続く、もしくは利回りが逆転すれば、豪ドルとNZドルの対米ドル相場を圧迫することが予想されます。コモディティ相場にも引き続き敏感に反応しそうです。クロス取引の対円相場については、米ドル/円の振れがやや大きいため、その影響を受けることが予想されます。

[February 08, 2018 AN0128]

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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