週刊2分でわかる豪・NZ

2018/01/18資源国通貨としての豪ドル・NZドル

「カナダとの比較」

鉱物資源や農産物などの資源を産出し、それらを輸出している国の通貨をコモディティ・カーレンシー(資源国通貨)と呼びます。鉄鉱石、石炭、銅などが主要輸出品のオーストラリア、乳製品などを世界に輸出しているニュージーランドの通貨は資源国通貨の代表的な存在です。

資源国通貨はこのほか、資源大国のノルウェー、カナダ、南アフリカの通貨があります。このうちカナダドルは、オセアニアの2カ国同様に国家元首がイギリスのエリザベス女王、コモンウェルスであることから比較されることが多くあります。ラグビー、クリケットなどのスポーツではライバル関係にあります。

「カナダ利上げ」

中央銀行にあたるカナダ銀行が17日、金融政策委員会で政策金利を1.00% から1.25%へ引き上げました。利上げは去年9月以来、過去6カ月で3度目です。

声明の中でカナダ銀行は、追加利上げの余地があるとしながらも、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の行方がリスクだとして、今後の利上げペースについては慎重な姿勢を示しました。

今回の利上げにより、カナダの政策金利は2009年以来の水準になりました。

一方、オーストラリアの政策金利は過去最低水準の1.50%。カナダよりまだ高いものの、格差は0.25%まで縮まりました。ANZは2018年末までに豪中銀の政策金利が2.0%まで上昇することをメインシナリオにしています。ただ、インフレと賃金の伸びの弱さを背景に、下方リスクもあるとしています。豪中銀の利上げが2019年末までないと予想する大手金融機関もあります。

2017年の最終週から始まった豪ドルの上昇基調が続き、一段高になるとの見方が少なくありません。ただ、中期的には、豪ドル高になるとの見方がある反面、豪ドル安に転じるとの見方も多くあります。豪中銀の金融政策が方向を決める可能性があります。

ポンドスターリングライブによりますと、高金利を背景にかつて人気を集めた豪ドルについて、2018年の人気度はG10通貨で中間ぐらいだとプロの投資家がみています。

「NZは当面据え置きか」

ニュージーランドの政策金利は過去最低の1.75%です。カナダとオーストラリアと比べて高いですが、NZ中銀は当面の間、金利を据え置くとの見方が優勢です。

ANZは、ニュージーランドのインフレ率が上昇するか多くの疑問があり、NZ中銀が金融引き締めに慎重になるだろうと最新のレポートでコメントしました。利上げは早くても2018年末までないと予想しています。

NZドルは、豪ドルと同様にこのところ堅調に推移しています。ただ、中期的には緩やかに下落するとの見方が優勢です。

カナダドル、豪ドル、NZドルの3つの資源国通貨を比較すると、金利水準ではカナダドルが最も低いものの、相場見通しについては、カナダドルに強気な見方が多いようです。投資家が現在よりも将来の金利水準、経済見通しを重視していることが背景です。

資源国通貨は、世界最大の資源輸入国である中国の経済の影響を受けやすい傾向にあります。特に、貿易関係が緊密なオセアニアの2カ国の通貨には大きく影響します。BKアセットマネージメントのストラテジストは、中国経済が減速傾向にあるなかで、今後発表される中国の経済指標が豪ドルとNZドルに影響しそうだとコメントしました。

 [January 18, 2018 AN0125]

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.12.13 更新NZドル、上昇より下落リスク?「予想に反して堅調」オセアニアの大手銀行であるANZは1年前、2018年末のNZドルの対米ドル相場を0.62と予想しました。実際にどうだったのか。NZドルの対米…
  • 2018.12.06 更新豪ドルとNZドル、カナダ中銀の決定に反応か「慎重なカナダ中銀」金融マーケットにおいて、相場の変動の理由は後付けされることが多い。例えば、外国為替マーケットでは、世界経済懸念で円が買われたとか、日米金利格…
  • 2018.11.29 更新パウエル発言の衝撃、豪ドルとNZドル見直されるか「中立金利のわずか下」アメリカの中央銀行にあたるFRBのパウエル議長による28日のニューヨークでの講演がマーケット関係者の注目を集めました。パウエル議長は講演で…
  • 2018.11.22 更新2019年の豪ドルとNZドル、強気な見方「ネガティブ材料」オーストラリアの中央銀行にあたる準備銀行(RBA)は、20日に公表した議事録で、失業率が目立って低下する可能性があるとみていることを明らかにし…
  • 2018.11.15 更新リスク回避ムードで買われた豪ドルとNZドル「期待感」豪ドルはリスクのバロメーターとされています。マーケットでリスク選好ムードが強まった局面では豪ドルが買われ、反対にリスク回避ムードが高まった際は豪ドルが…

「週刊2分でわかる豪・NZ」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ