週刊2分でわかる豪・NZ

2018/01/04豪住宅価格、下落ペースが加速

「2018年に10%下落も」


2018年のオーストラリアの主要各紙に、住宅価格の下落を伝える記事が1面に掲載されました。


コアロジックが2日発表したオーストラリアの各都市の12月の住宅価格では、ほぼ半分の都市で価格が低下しました。


最大都市シドニーの住宅価格は前月比で0.9%低下。第2の都市メルボルンは0.2%マイナス、北部のダーウィンは0.9%低下しました。


四半期ベースでは、シドニーの住宅価格は2.1%下げました。一戸建ては2.9%の価格低下。2017年の8月にピークをつけた後、下落基調が続いています。


オーストラリア当局が2017年春に導入した住宅ローンの規制強化の影響だと専門家が指摘しています。ほぼ同じタイミングで中国政府が海外投資に対する規制を強化したことも影響している可能性があります。それまでは中国人の不動産投資が活発でした。シドニーの中心部の不動産会社の広告の多くは、英語と中国語が併記されています。


シドニー・モーニング・ヘラルドは、複数の不動産リサーチ会社が、シドニーの住宅価格が今後12カ月〜18カ月で10%程度下落すると予想していると報じました。


シドニーの住宅の中間価格は89万5432豪ドル。住宅ブームが始まる前の2002年末の平均価格は52万豪ドルでしたので、依然として高い水準になります。


ヘラルドによると、オーストラリアの不動産市場は7年から10年のサイクル。仮に2017年8月にピークを打ったとすると、今後7年から10年程度、下落基調が続く可能性があります。


住宅バブル崩壊のリスク、低い賃金の伸び、高い家計債務が2018年のオーストラリア経済に脅威となりそうだと豪ABCは報じました。


「オークランドも」


住宅価格の下落はニュージーランドも同様。リアルエステート・インスティテュート(REINZ)が発表した最大都市オークランドの販売価格の中間値は85万NZドルと、1年前と比べ3.2%下落しました。


オークランド市が先月発表した住宅評価額は、前回評価した2014年と比べ45%も上がりました。高くなりすぎたとの指摘があります。労働党のアーダーン政権が誕生、海外からの不動産投資を制限した影響が今後広がる可能性があります。


年明け2日に実施された乳製品のオークションは堅調でした。GDT価格指数が2.2%上昇しました。ただ、ニュージーランドの主力輸出品である乳製品の価格が今後、下落基調になる可能性があります。需給バランスが崩れたことが背景。ニュースサイトのスタッフによると、ラボバンクは最新の四半期レポートの中で、乳製品の価格見通しを下方修正しました。


住宅と乳製品の価格下落が、2018年のニュージーランド経済にとって打撃となる可能性があります。


「マーケット全体の影響」


年明けの豪ドルとNZドルは、それぞれ堅調に推移しています。クリスマス以降の堅調さが継続しています。


ただ、豪ドルとNZドルの上値は限定的との見方が少なくありません。アメリカと比較して成長が緩やかで、アメリカとの国債利回り格差が縮小、もしくは逆転する見通しが背景です。主要金融機関のストラテジストのほとんどが、2018年の豪ドルとNZドルの緩やかな下落を予想しています。


 [January 04, 2018 AN0123] 
 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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