週刊2分でわかる豪・NZ

2017/12/28クリスマス後に動意づいた豪ドル

「ボクシング・デー」


クリスマスの翌日、今週火曜日の12月26日は「Boxing Day(ボクシング・デー)」でした。ボクシングの試合があるわけではありません。教会や慈善団体が寄付として受け取ったクリスマス・ギフトのBox(箱)を開ける日。あるいは、クリスマスカードを配達した配達員や家の世話をする使用人らにギフト・ボックス(箱)を渡す日。複数の説がありますが、英連邦では幅広く休日になります。


オーストラリア人とニュージーランド人にとって、「ボクシング・デー」は年に1度の大セールの日です。アメリカのブラックフライデーや日本の正月セールに相当します。オセアニアは南半球なので、冬物ではなく、夏物が特に大幅に値引きされます。


オーストラリア小売業協会は、ボクシング・デーから1月15日までの3週間の売上が180億豪ドルに達すると予想しました。前年同期比で3%増。主要放送局のABCは、電気代が約20%も上がったのに、個人消費は強いと報じました。


ニュージーランドのボクシング・デーも好調でした。ニュージーランド・ヘラルドは、小売売上高が前年比で6.4%増えたと報じました。Paymark Eftpos(ペイマーク・エフトポス)によると、ボクシング・デーに1億3900万NZドルの決済がありました。


エフトポスとは、ニュージーランドやオーストラリアの決済サービス。銀行のATMカードについた機能で直接支払えます。デビットカードと違う点は、スーパーなどの支払いの際に、希望があれば現金が引き出せることです。幅広く普及していて、ニュージーランドの電子決済の75%を占めています。


「堅調に推移」


ボクシング・デーの好調も追い風となって、豪ドルとNZドルは今週、高く推移しています。特に、豪ドルの上昇が目立ちます。対円では一時88円台に乗せました。


シドニー・モーニング・ヘラルドは、キャリートレード資金が豪ドルに向かったと伝えました。クリスマス後の薄商いで、振れが大きくなったとしています。


米豪の10年債利回り格差が拡大したことも豪ドル買い要因になっています。11月後半に8ベーシスポイント(0.08%)まで縮まった利回り格差が、27ペーシスポイント(0.27%)に広がりました。豪ドルは短期的に一段高になるとの予想があります。


原油相場はクリスマス後に2年半ぶりの高値に上昇しました。今週は、銅、パラジウム、金などの価格も高く推移しています。これも豪ドル買いにつながっているほか、資源国通貨とされるNZドル、カナダドル相場も押し上げています。


今週は目立った材料がないため、豪ドルとNZドルはマーケット全体のムードに影響されそうです。米国債利回りが今週に入り低下しており、その基調が続けば豪ドルとNZドルに追い風となることが予想されます。


年明け後は、2日発表の中国の製造業の購買部協会景気指数に反応するとの指摘があります。2018年の豪ドルとNZドルについては、それぞれ緩やかに下落するとの見方が優勢です。新年の第1四半期の米ドル相場は堅調に推移するとの見通しも多く、そうなれば豪ドルとNZドルに影響するとみられます。


[December 28, 2017 AN0122] 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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