週刊2分でわかる豪・NZ

2017/11/302018年のNZドル見通し

「落ち着く」


9月23日の総選挙前、選挙結果の不確実性からNZドルは軟調に推移。選挙後は連立政権の行方の不透明感から売られました。そして、労働党のアーダーン政権が誕生したことがサプライズになり、NZドルは一段安になりました。しかし、ここにきてNZドル相場は落ち着きを取り戻しました。


ニュージーランドの中央銀行(RBNZ)は、29日に公表した半年に1度の金融安定レビューの中で、「金融システムは健全であり、システムリスクが半年で低下した」との認識を示しました。RBNZは同時に、住宅ローンの規制を緩和することを発表しました。


規制の緩和は大方の予想より早いものでした。背景には、最大都市オークランドなどで住宅市場が弱含んでいることがあります。ニュージーランド全体の経済が減速傾向にあることも背景の1つとみられます。


大手銀行ウエストパックは最新のレポートの中で、「成長減速が進んでいる」とコメントしました。2018年のGDP見通しを下方修正。一方で、2019年と2020年については見通しを上方修正しました。


NZドル相場に最も影響するのは、NZ経済、RBNZの金融政策、そして、アメリカや中国を初めとする海外要因の3つがあるとされています。


2つ目については、見方に強弱感が混在しています。ウエストパックはRBNZが2019年後半まで政策金利を据え置くと予想。一方、ANZは、RBNZが来年の第4四半期に0.25%利上げ、2019年第1四半期に0.25%追加利上げするとみています。


「対米ドルでは強気」


こうした中、NZドルの対米ドル相場が年末から来年にかけてリバウンド(反発)するとの見方が少なくありません。


独立系のポンドスターリングライブは先週、NZドルの今後の下げは限定的になりそうだと伝えました。


そして今週。ポンドスターリングライブは、NZドルが再びトレーダーに好まれる通貨になりはじめたと解説しました。CFTCのNZドルのショート(売り)ポジションがピークに達し、ポジション調整がNZドル相場を押し上げるとの指摘があるとしています。モルガンスタンレーのストラテジストは、「ポジションの変化で心理が改善、NZドルのリバウンドにつながっている」とコメントしました。


バークレイズは、NZドルの対米相場が年末に0.70をつけると予想しました。現在と比べ小幅高の水準です。そして、2018年については、四半期ごとに0.71、0.72 、0.73と上昇し、年末は0.74になるとみています。


一方、ANZは、2018年の第1四半期から第3四半期までNZドルの対米ドル相場が0.73で推移、第4四半期に下げに転じると予想。来年のNZドルの対円相場については、四半期ごとに87円60銭、81円80銭、75円60銭、71円40銭と段階的に下がることを想定しています。


RBNZのスペンサー総裁代行は前回の金融政策委員会後の記者会見で、NZドル相場が持続可能な水準に近づいているとの認識を示しました。


BNZ(バンク・オブ・ニュージーランド)は、中銀のRBNZが注視しているTWI(貿易加重指数)が、自社で算出する長期的なPPP(購買力平価)に非常に近づいているとコメントしました。ただ、通貨ペアにバラツキがあると指摘。PPPと実際の値動きとの比較から、NZドルは今後3〜5年、対米ドルで上昇する可能性があると予想。その一方で、対円、対ユーロ、対英ポンドでは下がる見通しだとしています。


 


[November 30, 2017 AN0118] 
 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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