週刊2分でわかる豪・NZ

2017/10/19NZドル方向決めるDデイはいつ?

「メリットとデメリット」

先月23日に実施された総選挙の最終結果が7日に公表されました。イングリシュ首相率いる国民党の議席は56。躍進した労働党の議席は連携する緑の党と合わせて54。いずれも総議席数の半分に至りませんでした。

2大政党が、第3党のNZファースト党との連携を模索しています。しかし、鍵を握るウィンストン・ピータース党首が決断できないでいます。期限と定めた先週12日から1週間経過しましたが、いまだ発表がありません。

ピータース党首は、国民党の党首としてのイングリッシュ首相、そして、労働党のアーダーン党首と非公式の個別会談を重ねました。並行して、NZファースト党内で協議を続けています。

地元メディアがピータース党首の動向を連日詳細に報じていますが、協議している具体的な内容については明らかにされていません。

ニュージーランド・ヘラルドの政治担当の編集委員は、どちらの連立につくかのメリットとデメリットを解説しています。

それによりますと、国民党と組むメリットは、2党連立で運営がしやすいこと、そして、経済政策の経験が豊富なこと。デメリットは、ピータース党首とイングリッシュ首相が対立する可能性があること、さらに、2020年の次の選挙で負けるリスクがあることです。

一方、労働党を選ぶ場合のメリットは、首相となるアーダーン党首が若い女性で好感度が高いこと、政策で共通点が多いことです。反面、アーダーン人気でNZファースト党の影が薄れること、緑の党との3党連立になるので運営が複雑になることなどがデメリットとして考えられます。

NZファースト党内で、メリットとデメリットを真剣に議論しているが結論に至らない。おそらく、そういうことではないかと思います。

ピータース党首は18日、「ドイツの議会選がNZ総選挙の翌日に実施されたが、連立をめぐる協議が12月末までかかる可能性がある」と述べました。その上で、ドイツほどはかからないが、「もう少しだけ辛抱強く待ってほしい」とメディアに話しました。

NZファースト党は、今週末までに結論を出すことを目標にしています。連立相手となる党の調整も必要となるので、今週末までに連立政権が固まるかは不透明です。ただ、1両日中に突然決まる可能性も残ります。

小売売上高をはじめ、このところ発表されたニュージーランドの経済指標はやや弱めです。特に、住宅市場の弱さが目立ちます。主力輸出品の乳製品の価格が下落傾向にあります。加えて、連立政権の行方の不透明感が強く、NZドルは目先、低迷する可能性が高いと指摘されています。

連立政権が決まれば、NZドルは大きく反応すると予想されます。国民党の連立になれば、安心感から大幅高。労働党の場合は下落するとみられています。

一旦大きく反応した後は、連立政権の政策の中身が材料になります。BNZは最新のレポートの中で、政策を消化して、経済見通しや金融動向の見方をまとめることになるが、どれくらい時間がかかるか不確実性があるとコメントしました。

「売られすぎか」

豪ドルはこのところ、低い水準のレンジで推移しています。ただ、下値が堅い展開。チャートは、豪ドルが「売られすぎ」であることを示唆しています。上昇余地があるとの指摘もあります。大幅な上昇は予想できないが、目先持ち直す可能性があります。

豪ドルの目先の材料は19日発表のオーストラリアの雇用統計。中国のGDPにも反応する可能性があります。


[October 19, 2017 AN0112] 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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