週刊2分でわかる豪・NZ

2018/07/19米中貿易戦争でブレグジットが重要に

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「揺れるメイ政権」

アメリカと中国による貿易戦争の終わりが見えません。トランプ政権は、中国から輸入される6000を超える品目、金額にして2000億米ドル相当について10%の追加関税を9月にも発動する方針です。中国との協議で緊張緩和が期待されましたが、進展はありません。

ホワイトハウスの国家経済会議のクドロー委員長は18日、米中の貿易をめぐる緊張緩和を目指した通商協議を足止めしているとして、中国の習近平国家主席を批判しました。

貿易戦争の影響で、減速傾向にある中国経済が一段と冷え込むとの懸念が強まっています。中国が最大の貿易相手国であるオーストラリアにとっては由々しき事態です。

中国への輸出減を他で補えないか。オーストラリアが注目したのはイギリスです。オーストラリアの国家元首はイギリスのエリザベス女王。英国圏の一員としてオーストラリアとイギリスは、政治だけではなく、経済も文化も繋がりが強い。

イギリスは来年3月29日にEUを離脱することが決まっていて、新たな貿易協定を結ぶ絶好の機会だとオーストラリアのターンブル政権は考えています。

問題はブレグジット(イギリスのEU離脱)の方向が決まらないこと。イギリスの下院が今週、関税同盟と通商に関する法案を審議してきましたが、メイ政権が提示した政府案に対し、離脱強硬派と穏健派の両方から修正を求める動きが相次ぎました。時間がかかりそう。

メイ政権内にも亀裂があります。ジョンソン前外相ら離脱強硬派が辞任しましたが、その後も政権内の不協和音はおさまりません。

オーストラリアのチオボー貿易相が、新たな通商協定を話し合うためロンドン入りしましたが、イギリス政府の最終方針が固まらないことが影響して協議が進んでいません。

ABCは、中規模経済で、貿易への依存度が高いオーストラリアにとって、最終的なブレグジットの形がどうなるか、重要性が高まっていると報じました。オーストラリア政府は、EUとも新たな通商協定をめぐる話し合いを始めたとしています。

 

「通商問題と利回り格差」

豪ドルは6月はじめ以降、軟調に推移しています。トランプ大統領が出席したカナダでのG7首脳会議で貿易摩擦問題が深刻化したことがきっかけ。中国との貿易戦争に発展したことが、豪ドルの重石になっています。

豪ドルの対米ドル相場は依然として年初より低い水準。去年の5月以来の安値水準で推移しています。

アメリカとの金利、もしくは利回りの格差が拡大していることも豪ドルにネガティブに影響しています。FRBのパウエル議長が今週の議会証言で、アメリカ経済の明るい見通しを示しました。同時に、段階的な利上げを継続していく方針をあらためて表明したことで米国債利回りが上昇、米ドルが堅調に推移しました。

FRBとは異なり、豪中銀は相当期間にわたり過去最低の政策金利を維持すると幅広く予想されています。アメリカとの利回り格差の拡大、貿易戦争の2つの重石で、豪ドルは上値の重い展開が続くとの見方が優勢です。

 

「NZ、インフレ問題」

今週17日に発表されたニュージーランドの第2四半期の消費者物価指数は前期比で0.4%上昇、前年同期比で 1.5%となり、予想を下回りました。

一方、組合最大手フォンテラが主導した17日の乳製品のオークションは低調でした。GDT価格指数が1.7%低下しました。過去11回のオークションで価格低下は9回目です。全脂乳粉の価格上昇がサプライズでしたが、全体的に低調でした。

物価上昇が弱く、主力の乳製品が冴えない。NZ中銀は金融引き締めへの転換に非常に慎重で、利上げは当面ないとの見方が今週あらためて強まりました。

貿易戦争も重石。NZドルは上昇する局面でも上値が重い展開になる可能性が指摘されています。対円相場は、米ドル/円の振れがやや大きくなっていますので、その影響を受けることが予想されます。

 

[July 19, 2018 AN0150] 

 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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