週刊2分でわかる豪・NZ

2019/03/14外部要因が支える豪ドル

「国内データを無視」

豪ドルが今週、堅調に推移しています。

先週発表されたオーストラリアの2018年第4四半期のGDPが予想を下回り、1月の小売売上高も予想に届きませんでした。今週も弱いデータが発表されました。NABの企業景況感指数で企業の心理が悪化していることが示されました。

弱い経済データが相次いだことで、マーケットはオーストリア中銀(RBA)の利下げをほぼ織り込んだと指摘されました。これも影響し、投資家、トレーダーは、国内指標を無視する形で豪ドルを買っているとみられています。

「ブレグジットと米国債利回り」

背景は国外要因。最も影響しているとみられるのが、ブレグジット(イギリスのEU離脱)をめぐる動きです。

オーストラリアは英国連邦の一員であり、ブレグジットへの関心が非常に高い。アメリカなどと比べて、メディアのブレグジットをめぐる報道が多い。主要紙、主要テレビが連日、詳しく報じています。

イギリス議会は12日の採決で、メイ首相が提案した離脱修正案を大差で否決しました。1月に続いて2回目の否決。翌13日の採決では、「合意なき離脱」を拒否しました。14日の採決で、3月29日のブレグジットの期日の延期が決まる方向です。

ブレグジットをめぐって迷走していますが、イギリス議会の動きはマーケットの想定通りの展開。安堵感が広がり、13日の欧米マーケットでは、英ポンドが急上昇しました。

豪ドルにも影響しました。投資家心理の改善を受け、英ポンドほどではありませんが、豪ドルも幅広く買われました。対米ドルで1豪ドル=0.7090米ドル台に上昇。対円相場も1豪ドル=78.90円台の豪ドル高水準で取引されました。NZドルが軟調だったのとは対照的でした。

アメリカの経済指標も豪ドルに追い風となっています。12日に発表されたアメリカの2月の消費者物価指数は弱め。コア指数が予想に届きませんでした。米10年債利回りが2.6%台の低い水準で推移、米ドル売りを誘いました。マーケット全体の米ドル安地合いが豪ドルの支援材料になりました。

豪ドルは目先、外部要因に左右される展開が続きそうです。ブレグジットをめぐる動き、アメリカの経済指標と米10年国債利回りをにらんだ展開が予想されます。

「米中交渉にらむ」

もう1つ豪ドルに影響しそうな外部要因は米中貿易協議の行方です。

アメリカのトランプ大統領は13日、交渉を急がず、中国の習近平国家主席との会談前に合意することにこだわらないとの意向を示しました。トランプ大統領は同時に、中国と貿易で最終合意する可能性が高いとの認識も示しました。

中国との交渉を担当するライトハイザー通商代表は、まだ多くの課題が残っていることを明らかにしています。米中首脳会談が4月以降にずれ込む可能性があります。ただ、前に進んでいることが確認されれば、豪ドルへの影響は限定的とみられます。

いずれにせよ、米中貿易交渉に投資家が注目していることに変わりはなく、引き続き豪ドルを動かす要因になりそうです。中国はオーストラリアの最大の貿易相手国です。

[March 14, 2018 AN0183] 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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