中長期で夏相場を観る!トルコリラ/円 現在の価格は「買い」か?それとも「売り」か? 中長期で夏相場を観る!トルコリラ/円 現在の価格は「買い」か?それとも「売り」か?

続・トルコリラ/円の中長期保有を考察する(2018/6/26)
=大統領選挙を終えて=

M2Jアカデミア学長 吉田 恒

注目された24日のトルコ大統領選挙が終わり、これまでのところトルコリラ安は一服した形になっています≪資料1参照≫。これは、現職のエルドアン大統領が勝利し、政治的混乱が回避されたためといった解説が一般的のようです。

ただ、後述するようにエルドアン大統領の政策こそがむしろこれまでのリラ安の主因の可能性すらあったわけですから、それが継続する可能性が出てきたこととリラ安の一服は論理的には矛盾することでしょう。エルドアン路線が継続する可能性が出てきた中でもリラ安が一服しているのは、リラが短期的にも中長期的にも「下がり過ぎ」となっていることが主因ではないでしょうか。

≪資料1=トルコリラ/円の推移(2018年4月-)≫
図解
(出所:M2JFXチャート)

私は、前回のレポートでリラ安の主因は政策的な矛盾が大きいとの考え方を示しました。トルコ経済の問題はインフレであり、インフレ対策は基本的には財政、金融政策の引き締めであるのに対し、エルドアン大統領はこれまでそれとは正反対の金融緩和を中央銀行に求めてきたわけです≪資料2参照≫

≪資料2=ポリシー・ミックス≫
図解
(出所:各種資料より作成)

前回のレポートで述べたように、リラは中長期的に下がり過ぎ懸念が強く、その意味では続落余地には限りがあるとの考え方や、以前提示した想定レートの22円~32円には何も変わりはありません(想定レートについては、以下掲載の前回分レポートをご参照ください)。ただ、しっかりリラが底入れし、下がり過ぎの修正でリラ高に向かうためには、エルドアン体制の中でも中央銀行がインフレ対策の正常な金融政策をとれるかが焦点だと思います。(了)


トルコリラ/円の中長期保有を考察する(2018/6/10)

M2Jアカデミア学長 吉田 恒

要点

  • トルコリラ/円は5年MAからのかい離率などで見ると、2005年以降で最高のリラ割安に。この「割安」ということは、中長期保有で高金利のメリットを享受できる可能性がある点。
  • ここまでリラ売りが続いた最大の理由は政策的矛盾。また、米金利上昇に伴う新興国リスクへの懸念も言われるが、リラは他の新興国通貨とは異なる点もある。
  • リラの下限は、これまで消費者物価基準の購買力平価である程度説明できたが、それを参考にすると年内は22-23円(月末終値)。上限は、52週MAを1割上回る水準が目安。

◆「割安なリラ」という中長期保有の期待

トルコリラ/円は5月以降25円を大きく割り込み、2014年12月の50円を超えていた水準から見ると半値以下まで下落しました≪資料1参照≫。この結果、リラ/円は5年MA(移動平均線)からのかい離率で見ると、2005年以降では2011年に記録したリラ割安にほぼ肩を並べるところとなってきました≪資料2参照≫

≪資料1=トルコリラ/円の月足チャート(2014年-)≫
図解
(出所:M2JFXチャート)

≪資料2=トルコリラ/円の5年MAからのかい離率(2005年-)≫
図解
(出所:トムソン・ロイター)

これは、高金利通貨、新興国通貨の中ではむしろ異例のケースかもしれません。たとえば、代表的な新興国通貨である南アフリカランド/円の5年MAからのかい離率は、過去10年間でみればランド割高圏での推移となっています≪資料3参照≫

≪資料3=南アフリカランド/円の5年MAからのかい離率(2005年-)≫
図解
(出所:トムソン・ロイターより作成)

高金利通貨は、利回りの優位性を活かすべく、中長期保有が可能かを考えるのが基本だと思われますが、過去2年上昇してきたランドは割高圏にあり、一方続落してきたリラは割安圏にあるといった具合に対照的な状況にあるといえそうです。

割高な通貨は、基本的には下落余地が大きく、割安な通貨は基本的に下落余地が限られるといえるでしょう。高い利回りといったメリットを活かすべく中長期保有を検討するなら、割高なランドより割安なリラと考えるのが基本でしょう。

◆リラ売りの理由を再検証する

それにしても、リラが続落してきたからにはもちろんその理由もあるでしょう。最大の理由は、トルコでインフレ懸念が強いにもかかわらず、金融引き締めなどインフレ対策に大統領が反対するといった政策的矛盾ではないでしょうか。そんな政策的矛盾は変わるのか、または変わらないとすればリラは下げ止まらないのか、といった観点はあります。

もう一つここに来てリラなど新興国通貨の下落リスクとして警戒されているのは、米金利上昇により、新興国から米国へ資金が移動することです。ただしこの点でも、じつはリラは新興国通貨の中で異例のケースではないでしょうか。

たとえば、代表的な新興国通貨であるランドやブラジルレアルの対米ドル相場は、5年MAからのかい離率で見ると割高圏にあります≪資料4、5参照≫。これに対して、リラの対米ドル相場の5年MAからのかい離率は、むしろ割安圏にあるといえそうです≪資料6参照≫

米金利上昇をきっかけに、ランドやレアルが対米ドルでの割高修正で下落に向かうということは理解できますが、すでに対米ドルで割安圏にあるリラが他の新興国通貨と同様に一段と下落に向かうでしょうか。

≪資料4=米ドル/南アフリカランドの5年MAからのかい離率(2005年-)≫
図解
(出所:トムソン・ロイターより作成)

≪資料5=米ドル/ブラジルレアルの5年MAからのかい離率(2005年-)≫
図解
(出所:トムソン・ロイターより作成)

≪資料6=米ドル/トルコリラの5年MAからのかい離率(2005年-)≫
図解
(出所:トムソン・ロイターより作成)

◆当面のリラの上下限の考え方

2005年以降のリラ/円の循環的な安値は、日本とトルコの消費者物価で計算した購買力平価とほぼ一致してきました≪資料7参照≫。そんな過去の実績を参考にすると、リラ/円の下限の目安は、消費者物価で計算した購買力平価といえるでしょう。

この購買力平価を最も下回ったのが2011年でしたが、仮にこの時と同じ程度までリラ/円が購買力平価を下回ると計算しても、月末終値でこれから2018年末までは22-23円程度といった計算になります。

一方でリラ/円の上限、つまりリラが底入れし、上昇に転じた時はいくらぐらいまで上がる可能性があるのか。リラ/円が上昇に転じた場合、過去の例を見ると52週MAを1割前後上回るのが基本のようです≪資料8参照≫。足元の52週MAは29円程度なので、それを1割上回るなら32円前後といった計算になります。(了)

≪資料7=トルコリラ/円と購買力平価(2005年-)≫
図解
(出所:トムソン・ロイターより作成)

≪資料8=トルコリラ/円の52週MAからのかい離率(2005年-)≫
図解
(出所:トムソン・ロイターより作成)

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