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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※7月18日更新

2025/07/18 12:10

宮田レポート(短期アップデート) 250718_miyata.pdf

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 36,500~42,000円

[NYダウ・S&P500] 
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 37,500~45,000ドル
            (S&P500) 5000~6500
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 (ナスダック100) 20,000~23,000
                                   (ナスダック総合) 18,000~21,000
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 130.000~151.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 95.000~102.000


[日経平均]


【週足 エリオット波動分析】
日経平均は、重要サポートとしての200週MAを上回って推移しています。同MAを今後も維持する限り、プライマリー上昇➂波は依然継続中とみられます。

日経平均は、インターミディエイト級第(5)波の上昇が進行中です。この第(5)波は、20年3月コロナショック底(16358.19円)からのラリー中「最後の上昇」に相当します。
早ければ7月~8月、順当なら9月~10月に、日経平均は24年7月高値(42,426.77円)を上抜き史上最高値を更新するでしょう。

7月第2週(7~11日)に海外投資家は現物を4030億円買い越しました。これで15週連続の買い越しとなり、アベノミクス相場の始まりの時期に重なる2012年11月~13年3月(18週連続)以来、約12年ぶりの長さとなりました。

海外投資家は日本株を長らくアンダーウェイトしており、「持たざるリスク」から日本株再評価の機運が高まっているとみられます。




【日足・時間足 エリオット波動分析】
[TOPIX]
先に書いたように、海外投資家は現物を15週連続で買い越し(合計は5.35兆円)ており、今後も日本株再評価に伴う買いに期待できましょう。
スモール指数の最高値更新が足元で続いており、その流れをTOPIXもキャッチアップする展開を予想します。24年7月の過去最高値(2946.60)試しが視野に入っています。

[日経平均]
40,852円(6/30高値)からは第(iv)波の調整とみられ、それは目先的にも終わる可能性があります。その後は第(v)波の上昇が続き4万1000円水準を試すと思われます(この見方は38,885円を維持する限り有効です)。

日経平均4万円より上の価格帯は出来高が少ない「真空地帯」です。そこでは売り方の踏み上げ、新規の先物買いなどにより、日経平均は大きく跳ねやすいでしょう。

[予想PER別の日経平均水準]
7月17日の日経平均予想PERは15.71倍・予想EPSは2539円。この水準は、過去最高のEPS・2564円(2/13)に近いものです。



[NYダウ・S&P500] 

【NYダウ日足 エリオット波動分析】 
(プリファード・カウント)
22年10月安値(28,660ドル)からの(B)波による上昇は今年1月高値(45,054ドル)で終わり、以来、C波による下落局面です。足元、C-(2)波完了を見極める局面が続いています。今後はC-(3)波の下げにより、4月安値(36,611ドル)を大きく下回る展開が想定されます。

ただし45,054ドルを上抜くと、この波動カウントは否定され、他の波動カウントを採用することになります。これまでの戻り高値は44,885ドル(7/3)です。

(オルタナティブ・カウント)
22年10月安値(28,660ドル)以来の五波構成による上昇(=プライマリー級第➄波)は、今年4月安値から最後の上昇(=インターミディエイト級第(5)波)が進行中です。
あるいはS&P500・ナスダックで検討しているごとく、4月からの上昇を「トライアングル」におけるⓑ波とカウントすることもできます。

上記波動カウントの正否はすぐに判明しませんが、少なくとも当面の高値を付けつつあること、相応の調整入りが近い、などの点で一致しています。

【S&P500日足 エリオット波動分析】 
7月17日には最高値を更新、一時6304まで上昇しました。
過去100年近くにおよぶ超長期レジスタンスラインは、今年7-9月[6333]に位置しています。同ラインを試すのは昨年12月に続き2度目のことです。前回(昨年12月)、同ラインに達した後、その後の4カ月でS&P500は21%下げました。

FactSetによれば、S&P500の(12カ月先)予想PERは22.3倍(7/11時点)。これは5年平均(19.9倍)より12%、10年平均(18.4倍)からは21%、各々「割高」水準です。ひとたび調整入りとなれば、10%~20%の調整は普通に起きることでしょう。

【S&P500 長期エリオット波動分析】 
(プリファード・カウント)
4月安値(4835) からの上昇は、インターミディエイト級第5波に位置付けられ、それが終わると長期にわたる調整スタートとなります。それは4月安値を大きく下回ることが予想されます。

(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は、トライアングル中ⓑ波のリバウンドに位置付けられます。
近々ⓒ波の下げがスタートするとみられ、それはⓐ波(2月~4月)下げ幅に対し、62%~66%の大きさ(813~866ポイント)になるでしょう。そうなるとⓒ波によりS&P500は5400を下回る展開になりそうです。


[ダウ輸送株平均] 第(1)波の66%戻り水準から反落


[マグニフィセント7] エンディング・ダイアゴナル



[ナスダック]

【ナスダック100 週足 エリオット波動分析】
(プリファード・カウント)
4月安値(16,542)からの上昇は、インターミディエイト級第(5)波の上昇に相当します。既に最高値を更新しており、第(5)波はいつ終わってもおかしくありません。遠からず調整局面が始まるとみられ、それは数年間ターム続く、長く大きなものになるでしょう。

(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は「(ランニング)トライアングル」中ⓑ波に当たります。これはS&P500のオルタナティブ・カウントと同様であり、遠からずⓒ波の下落に入る見通しです。これによると今後の調整規模は、想定されるシナリオではもっとも小さいと想定されます。それでもⓒ波の下げ幅はⓐ波のそれに対し62%~66%となり、ⓑ波の高値からは3500~3750ポイントの下げになるでしょう。


【ナスダック100 時間足 エリオット波動分析】

4月安値16,542からの上昇は、インターミディエイト級第(5)波、あるいは、第(4)波「トライアングル」中ⓑ波とみられます。

フィボナッチ比率からは、上値の想定レンジとして[23,195-24,224]が導かれます。7月17日には一時22,641まで上昇、最高値を更新しました。

21,532を下回ると最初の弱気トリガー発動となり、ナスダック100が重要な高値を付けたことが示唆されます。

米10年長期金利─18年ぶり高値水準へ上昇する見通し
米10年長期金利は23年10月(5.0187%)以来の強気トライアングルを完成したか、しつつあり、近いうちに金利上昇トレンドが始まるとみられます。

トライアングルD波の高値は4.6247%(5/22)です。今後それを上抜くと第(4)波の完成と、第(5)波による金利上昇トレンド入りを確認できるでしょう。

長期金利は今後数カ月内にも5.0187%をブレイクし、18年ぶり高金利となるでしょう。そんな長期金利の急騰は、景気後退リスクを高めるとともに、株式相場には(ハイテク株を中心に)相応の打撃を与えるでしょう。



[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
151.899円(22/10/21)からⓍ波「円高局面」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成する、というのが基本シナリオ。24年7月の161.938円は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。

22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。

➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、まずは2011年からの上昇チャネルのセンターライン➀137.190円(7月)がサポートレベルとみられます。

もっとも139円処を下抜くとヘッド・アンド・ショルダーズ型の天井パターンから明確に下放れ始め─上述したセンターラインで底入れせずに─フィボナッチ・サポートの[128.945円]を試すと思われます。

➁の場合は、現行C波(五波構成)はチャネル下限(➁)を目指すような、より大きなドル安・円高が見込まれます。➁の水準は117.560円(7月)です。

【週足 エリオット波動分析】 
161.938円(24/7/3)からはC波によるドル安・円高トレンドが進行中です。このC波は(先ずは)三波構成(ⓐ-ⓑ-ⓒ)が想定され、158.825円(1/10)からⓒ波によるドル安・円高が進行中とみられます。

今年1月からのドル安・円高を、第3波による下落とみることもできます。現時点でサブシナリオですが、これによれば、先々1ドル=120円試しが視野に入ります。第1波と第3波が黄金分割(1:1.618)比率関係になると仮定すれば、 [122.625円]という目標値が得られます。

予想された通り、足元ドル/円は、149円台~151円台を試す展開となっています。ドル指数が数カ月タームの上昇に入ったとみられることも、ドル/円の上昇見通しを支援しています。

こうみるとドル/円の下げトレンド再開は、今から数カ月後になる可能性が高いでしょう。

もっとも中長期でのドル安・円高基調に変わりはなく、ヘッド・アンド・ショルダーズの垂直目標値からは、いずれ1ドル=120円割れの可能性もみえています。

【日足 エリオット波動分析】 
139.877円(4/22)以来のマルii波によるリバウンドは、「ダブル・ジグザグ」(w)-(x)-(y)により継続中とみています。
142.675円(7/1)からは、(y)-c波によるドル高円安局面に位置付けられます。
予想していた通り148.610円(5/12)を上回り、7月16日には一時3カ月半ぶり149円台に乗せました。

[149.351円](1月からのドル/円下落の半値戻り水準)と200日MA(149.710円)、これら複数のレジスタンスがある149円台は、短期的にはドル/円の上値を抑える可能性があります。

なお150円台回復となれば、(w)波と(y)波が等しく上がる水準[151.408円]への道が開かれます。ここには[151.586円](1月からの円高の61.8%戻り水準)も控えています。

金利差からのドル/円推計値
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[144.132円]です。


投機筋の円買い持ち高が2週続けて縮小(2025年7月8日時点)
IMM通貨先物市場で投機筋(非商業部門)の円買い持ち高は、前週の110.1億ドルから99.1億ドルへ2週続けて縮小しました。



[ドルインデックス(ドル指数)]


【エリオット波動分析】 
日足チャートは、5月高値(101.977)から引いたレジスタンスラインを明確に上抜きました。年初から半年近く続いたドル安C波は96.377(7/1)で終わったとみられます。それは、22年高値からのジグザグ(A-B-C)の完成を意味するものです。

もっとも、今回のジグザグ完成を以て、22年高値からのドル安Ⓑ波のすべてが終了したかは疑問です。筆者はⒷ波は短くとも2028年頃まで続くとみています。
この見方通りだとすると、足元始まったドル高は(X)波に位置付けることが適当です。Ⓑ波全体はおそらく「ダブル・ジグザグ」(A-B-C-(X)-A-B-C)を描いていくでしょう。

因みにドル指数は、8月から11月まで強くなる季節性があるようです。ここからすると、ドル高は今後3~4カ月続く可能性があり、それは当面101.977(C波レッサーディグリー・マルiv波頂点)を目指すでしょう。

なお可能性は小さくなりましたが、ここから何らかの拍子に96.377を下回るケースでは、当然C波が続いていることになります。この場合は94.976を目指すでしょう。これは、A波とC波が等しく下がる水準のことです。


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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