株価指数デイリー・レポート

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2018/05/28 16:416月のイベント・スケジュール:混沌とする地政学リスク

(本日のレビュー)

28日の日経平均は前日比+30.30円とわずかに続伸し、22481.09円で取引を終えました。先週25日のニューヨーク原油先物が1バレル=70ドル割れとなったことで、石油株や鉱業株が大幅に値を下げました。また、米長期金利の低下を材料に、保険など金融株も軟調でした。
もっとも、28日の英米市場は休場で、米朝首脳会談開催の見通しは不透明、さらには週末に米雇用統計を控えていることなどから、売買が交錯し、方向感に乏しい展開でした。TOPIX(東京株価指数)は小幅安でした。

(今後の見通し)

6月も様々な政治リスク、地政学リスクが相場材料になる可能性があります。重要なイベント・スケジュールを以下に概観します。

5月31日-6月2日 G7財務相・中央銀行総裁会議(カナダ、ウィスラー)
6月12日 米朝首脳会談 ⇒中止?
12-13日  米FOMC(今年2度目の利上げへ!?)
22日 OPEC総会(ウィーン)
24日 トルコ大統領選挙&総選挙
28日 EUサミット(首脳会議、-29日まで)

朝鮮半島の「非核化」
5月24日、トランプ大統領は6月12日に予定されていた米朝首脳会談の中止を発表。金委員長は、北朝鮮お得意の「揺さぶり」がビジネスマン・トランプ大統領に通用しないと痛感したかもしれません。
米朝首脳会談は開催される可能性も残されており、経済制裁を早期に解除してもらいたい金委員長と、中間選挙に向けて成果を誇示したいトランプ大統領の「我慢比べ」が続くのか、引き続き事態の進展に要注目です。

トランプ政権の通商政策
5月17日、通商交渉のなかで、中国が米国製品・サービスの購入拡大に合意したと報道されました。同20日には、ムニューシン米財務長官が「我々は貿易戦争を保留する」と発言。これにより、関税の報復合戦による「貿易戦争」はいったん回避された格好です。ただし、中国が米国の貿易赤字削減に具体的にどう協力するのかは不透明です。米中の「停戦」が一時的なものとなる可能性も相応にありそうです。

そうしたなか、トランプ大統領は23日、安全保障上の理由から輸入自動車に対する関税を検討するよう指示しました。鉄鋼・アルミ関税の例に倣えば、数週間以内にも暫定的な報告がされる可能性があります。一部で報道されたように25%の関税が賦課されるならば、欧州や日本の自動車メーカーは大きな打撃を受けそうです(カナダやメキシコからの輸入車は米国、欧州、日本のメーカーの現地生産車がほとんど)。
トランプ大統領は、11月の中間選挙に向けて成果を誇示したいところでしょう。

中東情勢
5月8日、トランプ大統領がイラン核合意からの離脱を発表。14日には、米国の駐イスラエル大使館がエルサレムに移転し、イスラム世界から強い反発を受けました。朝鮮半島だけでなく、中東においても緊張が高まっているとみるべきでしょう。

6月22日にはウィーンでOPEC総会が開催されます。原油価格が2014年末以来となる70ドル台で推移するなか、協調減産の緩和が主要議題の一つとなりそうです。OPEC総会、あるいはその他の中東情勢次第で原油価格が大きく変動するようであれば、世界の経済や金融市場に影響が出る可能性があります。

欧州政治情勢
イタリアでは、ポピュリスト政党の「五つ星運動」と反ユーロ・反移民の「同盟」が政権樹立に失敗しました。マッタレッラ大統領が、アンチ・ユーロの経済閣僚候補の承認を拒否したためです。大統領は党派色のない事務方を首相に指名して、選挙管理内閣の樹立を目指しそうです。その場合、早い段階で再選挙の可能性があります。
「五つ星」と「同盟」による政権という、市場が最も懸念したシナリオは回避されたようですが、不透明感の強まったイタリア政局の行方がユーロ相場の変動要因となりそうです。

英国では、ブレグジット(英国のEU離脱)に関する交渉が続いています。現在、英国がEUの関税同盟から離脱することの是非に関して、政権与党内でも見解を分かれているようです。メイ首相が与党をまとめてEUと交渉を続けることができるのか、その瀬戸際に立たされているとの見方もあるようです。メイ首相がそれに失敗すれば、解散総選挙が現実味を帯びるかもしれません。

主要中央銀行の会合
6月には主要国中央銀行の会合も予定されています。米FRB(6/13)、ユーロ圏ECB(6/14)、日銀(6/15)、英BOE(6/21)。そのなかで、政策変更が予想されるのは、利上げがほぼ確実視されているFRBぐらいです。ただし、各中央銀行から発せられるメッセージは相場材料になる可能性があり、注意しておくべきでしょう。

(チーフエコノミスト 西田明弘)


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