株価指数デイリー・レポート

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2018/05/18 15:52日経平均:相場環境の確認

(本日のレビュー)

18日の日経平均は前日比+91.99円と続伸し、2月2日以来となる22930.36円で取引を終えました。米長期金利の上昇などを材料に、米ドル/円が2月5日以来となる110.96円まで上昇したことが好感されました。日経平均は23000円に迫ると利益確定の売りに押され、後場は上値の重い展開でした。

(今後の見通し)

来週は23日にユーロ圏とドイツの5月マークイット製造業PMI25日にドイツの5月IFO景気動向指数が発表されます。ユーロ圏の景況感は低下傾向です。ただ、今週発表されたドイツの5月ZEW景況感は前回から横ばいで、景況感の低下一服が示されました。他の景況感を表す指標でも、低下の一服、あるいは改善が示されるのか注目です。

来週23日に米FOMC議事録(5/1-5/2開催分)が公表されます。FOMCの声明文では、携帯電話料金の引き下げによる影響が剥落し、CPIがFRBのインフレ率目標である2%を上回ったことや、FRBが重視するPCE(個人消費支出)デフレーターが2%近辺に達したことを反映して、物価判断が上方修正されました。議事録でインフレに対する警戒感が示されるなどすれば、市場では利上げペースが加速するとの観測が高まるかもしれません。FFレート先物によれば、市場は6月に年内2回目、9月に年内3回目の利上げを予想しています。そして、12月に42.7%の確率で年内4回目の利上げが行われると予想しています。

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日経平均:相場環境の確認

企業業績

15日までに約9割の上場企業が3月期決算を発表しました。日経Quickの集計によれば、2019年3月期の業績見通しは営業利益が前期比1.47%増(除く金融)です。企業の慎重な業績見通しが予想EPSの低下に繋がりました。

ただし、2018年3月期の営業利益は前期比14.69%増と、堅調な伸びを示しました。また、想定為替レートはトヨタ自動車をはじめとする268社が105円に設定するなど、前回の110円程度からドル安・円高にシフトしました。足元の米ドル/円は110円台で推移しており、米ドル安・円高は一服しています。米ドル/円が110円程度で底堅く推移すれば、業績の上振れ要因となり、日経平均の支援材料となりそうです。

バリュエーション(評価)

日経平均の予想PER(株価収益率)は13倍台で推移しています。日経平均は年初来安値から10%程度上昇しましたが、過去と比較すると依然として割安と判断できる水準です。後述の海外要因には注意が必要ですが、予想EPS(1株当たり利益)と予想PERで求める推計値を参考にすれば、日経平均には上昇余地があるとみることができます。

海外要因

①米中貿易摩擦や②北朝鮮問題、③米長期金利と米株の動向などの外部要因が、日経平均の下落材料となる可能性には注意が必要です。

米ワシントンでは、17-18日の日程で「貿易戦争」の回避に向けた米中閣僚級会合が開催されています。中国は、対米貿易黒字を年間2000億ドル削減することを提案したとの報道もありますが、その具体策は示されていません。

トランプ大統領は「中国は非常にわがままになった」と述べ、中国との貿易交渉が成功しないかもしれないとの認識を示しました。米中貿易摩擦問題がすぐに改善する可能性は低そうです。今後も懸念が高まる度に、株価に下押し圧力が加わる場面がみられるかもしれません。

北朝鮮は、米国が非核化を一方的に要求するのであれば、米朝首脳会談の開催を再考する可能性に言及しました。これに対し、トランプ大統領は、北朝鮮が非核化に応じれば「体制保障」を与えるとの意向を示しました。

日経平均の下押しリスクである北朝鮮問題に対する懸念が後退すれば株価にとってプラスとなります。また、それは米ドル/円の上昇材料ともなります。その場合、前述の企業業績の上振れへの期待が高まりそうです。米朝関係に進展がみられるのか注目です。

米長期金利(10年債利回り)は17日も続伸し、一時3.122%まで上昇しました。通常、金利の上昇は株価の構成要素であるPER(株価収益率)を押し下げるため(バリュエーション調整)、株価の下押し要因となります。足元では、米経済指標の上振れ(=米景気の拡大)を好感した「良い金利上昇」の側面が強いと考えられます。そのため、NYダウの下落は今のところ限定的です。

ただし、15日のNYダウは前日比で約200ドル近く下落しました。「良い金利上昇」であっても、金利の上昇スピードが急であれば、株価への下押し圧力が強まるのかもしれません。NYダウが下落すれば、日経平均にも下押し圧力が加わると考えられることから、その動向には注意を向けておく必要があります。

(アナリスト 根岸慎太郎)

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

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