株価指数デイリー・レポート

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2018/05/11 16:35NYダウはレンジ相場になりやすい地合いか

(本日のレビュー)

11日の日経平均は前日比+261.30円と反発し、2月2日以来となる22758.48円で取引を終えました。前日の米株高が好感されました。また、本日の5月限オプションSQ(特別清算指数)算出を無難に通過したことも市場心理にとってプラスとなりました。

(今後の見通し)

来週は15日に4月の米小売売上高と5月のNY連銀製造業景気指数16日に4月の米鉱工業生産指数17日にフィラデルフィア連銀景気指数が発表されます。小売売上高は、前月比では3か月連続で低下しましたが、3月は+0.6%と改善しました。4月の市場予想は+0.4%と、底堅い伸びが見込まれています。鉱工業生産指数は前月比+0.5%と、前回から横ばいが予想されています。一方で、NY連銀製造業景気指数とフィラ連銀景気指数は前回値から低下が予想されています。経済指標などで景気の底堅さが確認されるかがNYダウの動向に影響しそうです。

欧州では、15日にドイツの第1四半期GDPと5月のユーロ圏とドイツのZEW景況感指数が発表されます。ユーロ圏の経済指標や景況感は足元で鈍化しています。特に景況感は鈍化が顕著で、ドラギ総裁は貿易摩擦への懸念を示すと同時に、その影響による景況感の低下を注視するとの見解を示しました。ユーロ圏の経済指標や景況感の鈍化が一時的なものであると確認できるのか注目でしょう。

イタリアでは、ポピュリスト政党の「五つ星運動」と極右政党の「同盟」が連立政権の樹立に向けて前進しました。10日に首相の人選を含めた陣容などの協議を行った両党は、「大きな前進があった」と、初の共同声明を出しました。

両党は協議をまとめる時間として、14日までの猶予をマッタレッラ大統領に求めました。反ユーロや反移民を主張する両党による連立政権の樹立は、独DAX®などの欧州株にとってマイナスとなる可能性があります。

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NYダウはレンジ相場になりやすい地合いか

NYダウは10日、24542.54ドルまで上昇し、6営業日続伸しました。ただし、以下の材料を参考にすると、NYダウはレンジ相場になりやすい地合いと判断できそうです。

①堅調な企業業績(押し上げ要因)
②米長期金利の上昇(下押し要因)
③原油価格の上昇(押し上げ/下押し要因)

①堅調な企業業績(押し上げ要因)

10日時点で、NYダウに採用されている30社のうち28社が決算発表を終えました。底堅い企業業績が示されたことで、NYダウの予想EPS(1株当たり利益)は初めて1500ドル台まで増加しました。市場が企業利益の伸びを予想している点は、NYダウの支援材料となりそうです。

②米長期金利の上昇(下押し要因)

米長期金利(10年債利回り)の動向には注意が必要です。足元の米長期金利は、3%を挟んだもみ合いとなっています。3%を明確に上回っていたのは2011年以前で、3%は大きな節目として意識されています。長期金利が3%を明確に上抜けて上昇した場合、NYダウには下押し圧力が加わる可能性があります。

今週行われた米財務省の10年物国債入札では、応札倍率が2.56倍と、前回の2.46倍から上昇し、米国債の底堅い需要が示されました。足元の長期金利上昇は、需給悪化などによる「悪い金利上昇」の側面より、景気拡大やそれに伴うインフレ圧力による「良い金利上昇」と判断でき、今のところ、長期金利上昇によるNYダウへの下押し圧力は限定的となっています。

ただし、今後、米国債の需給が悪化する可能性はあります。トランプ政権の減税政策やインフラ投資を背景に、米国の財政赤字に対する懸念が高まった場合や、米中貿易摩擦が悪化して中国が米国債の売却を取引材料とするとの見方が出てきた場合など、米国債の需給は悪化すると考えられます。そのような「悪い金利上昇」が起これば、NYダウに下押し圧力が加わることが考えられます。

③原油価格の上昇(押し上げ/下押し要因)

WTI原油先物は10日、2014年11月以来となる71.36ドルまで上昇しました。米国のイラン核合意離脱やイスラエルのシリアへの軍事行動を受けて、中東情勢が悪化していることが背景です。原油価格の上昇はエネルギーセクターの株価にとってプラスで、足元ではNYダウの上昇に寄与しています。

ただし、原油価格の上昇は、企業のコスト増加につながる側面もあります。NYダウにおけるエネルギーセクターの比率は9%と小さく、コスト面が意識された場合、NYダウの下押し要因となるかもしれません。また、中東情勢の悪化による地政学リスクがより意識されるようであれば、リスク回避の動きから株価が下落する可能性もあります。原油価格の動向やその背景にも目を向けておく必要がありそうです。

(アナリスト 根岸慎太郎)

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

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