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2018/04/20 15:43NYダウ:米長期金利の動向に注目

(レビュー)

20日の日経平均は前日比-28.94円と6営業日ぶりに反落し、22162.24円で取引を終えました。半導体受託生産のTSMC(台湾積体電路製造)の4-6月期の売り上げ見通しが市場予想を下回ったことで、19日の米国市場で半導体関連銘柄が下落。その流れを受け継ぎ、日本市場でも半導体関連銘柄が下落し、日経平均の重石となりました。一方で、為替市場で米ドル/円が一時107円台後半まで上昇したことなどがサポートとなり、日経平均の下げ幅は限定的でした。

(今後の見通し)

北朝鮮問題や日米通商交渉の行方は、引き続き株式市場のリスク要因となる可能性があります。来週27日に、南北首脳会談が行われます。5月末から6月初めに開催される可能性のある米朝首脳会談に関して、トランプ大統領は、成果が期待できなければ米朝首脳会談を開催しないと示唆しています。南北首脳会談が一つの判断材料になるかもしれません。

17-18日に開催された日米首脳会談では、北朝鮮問題に関して両首脳が日米間の連携を強調。両国の足並みがそろっていることを示しました。一方で、通商に関しては両国の意見が一致していないことが示されました。

安倍首相は、「日本にはTPP(環太平洋連携)が最善」との見解を示し、米国のTPP復帰や、鉄鋼・アルミ関税の対象から日本を除外することを要求しました。一方で、トランプ大統領は日本の要求に難色を示し、二国間協定を優先するため、二国間で新しい通商交渉を開始することを表明しました。通商交渉がスタートすれば、株式市場の不透明要因となる可能性があります。

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イールドカーブのフラット化による景気後退懸念は限定的か

米長短金利差(10年債利回り-2年債利回り)は17日、2007年以来となる0.428%まで縮小し、イールドカーブ(利回り曲線)はフラット化しました。長短金利差は景気と密接な関係があるとされています。1990-91年と2001年、2008-09年の3回のリセッション局面では、1-2年前に逆イールド(短期金利>長期金利)が発生しており、逆イールドは景気後退の強いシグナルとされています。

ウィリアムズSF連銀総裁(次期NY連銀総裁)は17日、逆イールドは歴史的に見て「金融当局が引き締めサイクルにあり、市場が景気見通しへの信頼感を失っている時に発生した(下図、緑枠)」と指摘したものの、今はそのような状況ではないとの見解を示しました。また、「当局が利上げするなかで長期金利はやや上昇した。イールドカーブがフラット化するのは正常だ」と述べました。

ウィリアムズSF連銀総裁の発言を参考にすれば、足元のイールドカーブのフラット化は、FRBの利上げによる短期金利の上昇が背景で、景気後退や利下げの前兆となるような長期金利の低下によるものではありません。そうであれば、現段階で景気後退を過度に懸念する必要はなさそうです。ただし、長期金利の上昇は株価のバリュエーションを押し下げる(株安)要因と考えられるため、長期金利の動向に目を向けておく必要はあります。

米長期金利の動向に注目

仮に長期金利が上昇する場合、それが「物価要因」なのか「(景気拡大を好感した)景気要因」かに注目する必要があります。

長期金利は19日、一時2.943%まで上昇しました。企業の仕入れコストの増加が示唆され、インフレ期待が高まったことが背景です。4月のフィラデルフィア連銀景気指数の内訳である仕入価格指数は56.4と、2011年以来の高水準を記録しました。販売価格指数も上昇しましたが、両者のスプレッド(価格-販売)も2011年以来の高水準です。今後、企業の価格転換が進めばインフレが加速しそうです。「物価要因」を背景にした長期金利の上昇が継続すれば、株価への下押し圧力が強まる可能性があります。

一方で、「景気要因」による長期金利上昇の側面が強まれば、長期金利の上昇による株価への下押し圧力は限定的となる可能性はあります。先週から本格化した米企業決算は比較的良好なスタートでした。トムソン・ロイターによれば、NYダウ採用銘柄の第1四半期の収益は前年比+15%程度の底堅い伸びが予想されています。引き続き底堅い収益の伸びが示されるようであれば、NYダウのサポートとなりそうです。

来週27日に発表される第1四半期GDPの市場予想は前期比年率+2.0%と、前回の同+2.9%から鈍化する見込みです。ただ、過去のデータを参考にすると、米経済は第1四半期に弱含み、その後加速する傾向が見られます。24日に発表される4月の消費者信頼感指数をはじめ、4月分以降の経済指標が持ち直すのかが、「景気要因」による長期金利の上昇かを判断する一つの材料となりそうです。

(アナリスト 根岸慎太郎)

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