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2018/03/20 16:45ブレグジット交渉に進展の兆しも、英FTSE100は1年3カ月ぶり安値

(レビュー)

20日の日経平均は、前日比-99.93円と3営業日続落し、21380.97円で取引を終えました。フェイスブックの個人情報漏洩問題に対する懸念からテクノロジー関連株が下落。日米の政治情勢の不透明感や米FOMCを控えていることも日経平均の重石となりました。

(今後の見通し)

英国とEUは19日、ブレグジット(英国のEU離脱)後の移行期間中の条件について合意しました。22-23日のEU首脳会議で合意文書に署名する見通しです。

バルニエEU首席交渉官は、まだ多くの作業が残っているとし、離脱協定が署名されるまでは移行期間について確定したわけではないと釘を刺しつつも、最終的な離脱協定についても大方で合意したとしました。合意された移行期間は2020年12月20日までの1年9か月間で、英国が求めていた2年間に近いものとなったようです。

ブレグジット交渉に進展の兆しが見られたことで、19日の英国市場では、英国債が売られ(国債利回りは上昇)、英ポンドが上昇しました。一方で、英FTSE100は一時2016年12月22日以来となる7034.91pまで下落。ソフトウェア開発のマイクロフォーカスが大幅に下落したことや、英ポンド高、英国債利回りの上昇がFTSE100の重石になりました。

日本時間20日18時30分に2月の英CPI(消費者物価指数)が発表されます。2月の市場予想は前年比+2.8%と、1月の同+3.0%からインフレが鈍化すると予想されていますが、依然としてBOE(英中銀)のインフレ率目標(2%)を大幅に上回る見込みです。

今週は21日に英雇用統計が発表されます。10-12月の失業率(ILO基準)は4.4%まで低下し、労働市場がひっ迫しつつあることが示されました。ただ、10-12月の週間平均賃金は前年比+2.5%と、依然として鈍い伸びが続いています。

週間平均賃金からインフレ率を差し引いた実質賃金は前年比でマイナスです。実質賃金のマイナスが続けば個人消費にとってネガティブな材料と考えられます。実際に、実質賃金が低下するなかで英消費者信頼感指数は低下しています。

22日にはBOEのMPC(金融政策委員会)が開催されます。市場は、今回のMPCでは金融政策が据え置かれると予想しています。一方で、OIS(翌日物金利スワップ)によれば、市場が予想する5月の利上げ確率は62.4%と、市場は5月の利上げを予想しています。

BOEの懸念材料となっていたブレグジット交渉に進展の兆しがみられることから、BOEは利上げを行いやすくなったとみることが可能です。ただし、実質賃金が低下し、消費者心理は悪化傾向です。その中で、BOEが利上げを行えば、(個人消費にとってマイナスで)企業収益の悪化要因となる、あるいは企業のコストが増加すると考えられることから、FTSE100の重石となる可能性があります。

ブレグジット交渉に進展の兆しがみられることは英経済にとってプラスと考えられますが、足元の経済状況を踏まえれば、FTSE100は上値の重い展開が続く可能性があります。目先、インフレの上昇が一服するのか、賃金に上昇圧力が見られ、消費者心理が改善するのかといった点にも注目です。

(アナリスト 根岸慎太郎)

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

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