株価指数デイリー・レポート

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2018/02/16 16:28日経平均は下値を固める展開となるか

(レビュー)

16日の日経平均は、前日終値比+255.27円と2営業日続伸し、21720.25円で取引を終えました。前日の米国市場でNYダウが5営業日続伸し、リスクオフの姿勢が和らいだことが日経平均のプラスとなりました。後場に米ドル/円が105.50円まで下落すると、日経平均は上値の重い展開となりましたが、影響は限定的でした。

(今後の見通し)

日本政府は16日、衆参両院の議院運営委員会理事会で、4月8日に任期満了となる黒田日銀総裁を再任する人事案を提示しました。また、3月19日に任期満了となる中曽・岩田両副総裁の後任に、日銀の雨宮理事と早稲田大学の若田部教授を充てる案が示されました。

政府は3月中旬までに衆参の本会議で採決を目指す方針です。衆参両院で承認を得たのち、正副総裁が正式に就任します。正副総裁の任期は2023年までの5年間になります。2%の物価目標の達成に加え、各国の中央銀行が金融緩和の縮小や停止、あるいは政策金利の引き上げを行うなか、日銀がどのような出口戦略を描くのかが課題となりそうです。

雨宮理事は金融政策の立案を担う企画担当を長く務め、政策運営に精通しています。若田部教授は、日銀が保有する国債の増加ペースを、現在の年80兆円メドから年90兆円メドに引き上げることや購入資産の対象拡大などを提案しており、金融政策に積極的な「リフレ派」とされています。日銀の人事案を巡る市場の思惑が、今後の相場材料となるかもしれません。

来週は、21日に米FOMC議事録(1月30日-31日開催分)が公表されます。3月の利上げを示唆する内容が示されるのか注目です。23日にはNYで金融政策フォーラムが開催されます。FOMC関係者が多く参加する予定です。足元のインフレ圧力の高まりや米長期金利の上昇に関する発言などがあれば、相場材料となるかもしれません。

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日経平均は下値を固める展開となるか

先物主導の日経平均上昇が大幅下落の背景か

裁定買い残(先物売り・現物買いの裁定取引に伴う、現物株の買いポジション)が急ピッチで増加した2017年9月以降、日経平均はそれに連動する形で上昇しました。裁定買い残は2018年1月第1週目にピークとなる約3兆4000億円まで増加しましたが、2月第2週目には約1兆7000億円まで減少しました。その間に、日経平均は1月23日の高値24124.15円(終値ベース)から2月14日の安値21154.17円まで約12%の大幅安となりました。

通常、先物が買われ、現物に比べて先物が割高になる局面では「先物売り・現物買い」の裁定取引が増加し、裁定買い残が積み上がるとされています。つまり、裁定買い残の増加は、先物主導で日経平均が上昇してきたことを示唆しているといえます。一般的に投機筋(短期筋)はスピードを重視し、株価指数先物に資金を投入して日本株「全体」を買うことが多いとされています。そして、投機筋は基本的に利益が生じれば素早く売り逃げる傾向があります。

前述の日経平均の上昇(≒裁定買い残の増加)は、投機筋の先物買いによる影響があったと考えられ、日経平均は逃げ足の速い資金によって押し上げられたとみることができます。その投機筋が、米長期金利上昇を背景とした米株の急落を受けて素早く資金を逃避させたことが、日経平均が大幅に下落した背景の1つにありそうです。

中長期の資金流入が日経平均の下値を固める材料に

日本取引所グループが16日に発表した最新の投資部門別売買状況によれば、30兆円以上を日本株で運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)や日銀のETF買いの動向が表れるとされる「信託銀行」や、企業の自社株買いの動向を反映するとされる「事業法人」が、2017年に続き日本株を買い越していることが示されました(下表、青色枠)。

年金などの長期資金の動向が表れる「信託銀行」が日本株を買い越していることは、日経平均に長期の資金が流入している可能性を示しています。また、企業の自社株買いは、株式の償却を通して株価を押し上げる効果も期待できます。「信託銀行」や「事業法人」が日本株を買い越していることは、日経平均が下値を固めながら上昇する材料となる可能性があります。

一方で、2017年に日本株を買い越した「外国人投資家」は、2018年第2週以降、日本株を大幅に売り越しています(上表、緑枠)。足元の日経平均が軟調な背景には、東証1部の売買ウェートの約7割を占める外国人投資家の動向が大きく影響していそうです。前述のように中長期の資金が日本株に流入している可能性があることは日経平均が下値を固める材料となりそうです。ただ、日経平均が下値を固めて力強く上昇するためには、外国人投資家が日本株の買い越しに転じる必要があるかもしれません。

(アナリスト 根岸慎太郎)

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

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※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

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※当レポートは現物株を対象としています。

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