株価指数デイリー・レポート

株価指数の市況や分析・展望を配信。

2018/02/02 11:43米株は調整の可能性あるも、上昇基調は維持されそう

(今後の見通し)

サマリー

・VIX指数上昇で、米株の短期的な下落に注意が必要
・株式の債券に対する割安は修正中。金利上昇が米株の下押し要因になる可能性も
・堅調な米景気を背景に、中長期的に米株は上昇基調を維持する公算

(※)本レポートでは、NYダウに比べて採用銘柄が多く、PERなどの数値の振れが小さいことから、主にS&P500を分析に使用します。

 

VIX指数上昇で、米株の短期的な下落に注意が必要

米株は2016年以降、約100営業日前後で調整局面を迎えています。前回の調整から100営業日後にあたる30日、NYダウは1.37%下落。113営業日後にあたるS&P500は1.09%下落しました。過去の価格サイクルを参考にすれば、米株の調整が進む可能性があり、注意しておく必要がありそうです。

VIX指数が足元で上昇していることも、短期的な米株の調整要因として注意しておく必要があります。通常、VIX指数の数値が高いほど、投資家が相場の先行きに不透明感を持っていると考えられています。過去の株価と比較すると、VIX指数が高いほど株価の下げ幅も大きくなる傾向があります。今後、VIX指数が一段と上昇した場合、米株が大きく下落する可能性には注意が必要でしょう。


 

株式の債券に対する割安は修正中。金利上昇が米株の下押し要因になる可能性も

S&P500のイールドレシオ(※)は、1月31日時点で0.705%と、1997年から2017年の20年間の平均である0.817%を下回っています。PER(株価収益率)が足元の26倍から変化しないと仮定すれば、長期金利が3%程度まで上昇すると、イールドレシオの過去20年の平均に近い水準となります。仮に長期金利が1%上昇して3.7%となった場合、イールドレシオは0.962%まで上昇し、リーマンショック前の水準を上回る計算となります。

(※)イールドレシオとは、米10年債利回り÷株式の益回り(PERの逆数)で求められる。数値が小さいほど、債券に対して株式が割安であることを示す

逆に長期金利を3.7%として、イールドレシオが前述の0.962%から過去20年の平均程度まで低下するためには、PERが22.2倍まで低下する必要があります。EPS(1株当たり利益)が変化しないと仮定すれば、S&P500は2414.44pまで下落(1月31日終値から-14.5%)する計算になります。

以上を参考にすれば、株式は依然として債券に対して割安と判断できます。ただ、足元では株価と長期金利が同時に上昇しています。イールドレシオの上昇が加速する可能性があります。その場合、債券と比較して株式の割高が意識されるようになりそうです。今後、金利が一段と上昇した場合、米株には下押し圧力が加わりやすくなる可能性があります。

 

中長期的に米株は上昇基調を維持する公算

長期金利の上昇を受けて、長短金利差の縮小は一服しました(=イールドカーブはスティープ化)。長短金利差は、リセッション(景気後退)の1-2年ほど前に逆転しており、米国において、長短金利差と景気には高い関係性があるとされています。長短金利差の縮小が一服したことは、景気が今後も底堅さを維持する可能性を示しているとみることができます。

景気とEPS(1株当たり利益)を比較すると、リセッション局面にEPSが大きく減少し、景気拡大局面ではEPSが増加したことが分かります。2015年から2016年にかけてEPSが低下しましたが、その背景には、原油価格が大きく下落したことに加え、中国や新興国の景気鈍化懸念などによる企業収益の悪化がありました。


 

景気が今後も底堅く推移すれば、EPSは一段と増加するかもしれません。長期金利の上昇がPERを押し下げる要因となり、株価の下落材料となる可能性を指摘しました(2ページ目)。一方で、景気の底堅さが維持されてEPSが増加すれば、株価の押し上げ要因となります。以上から、短期的に米株が調整した場合でも、その後は企業収益の改善が支援材料となり、米株の上昇基調は継続すると考えられます。言い方を換えれば、長期金利の上昇でPERが低下しても、EPSが上昇することで、米株は底堅く推移すると思われます。

(アナリスト 根岸慎太郎)

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

 

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

※当レポートは現物株を対象としています。

バックナンバー

「株価指数デイリー・レポート」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

株価指数CFDをご検討の方へ マネースクエアはあなたの資産運用のパートナーとして、革新的なアイデアを提供し続けます。
各種取引ツール M2J株価指数CFDでご利用いただく取引ツールについてご案内します。 各種トレードツール
ページトップへ