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2018/01/19 16:37日銀:金融政策変更の可能性は?

(レビュー)

19日の日経平均は、前日終値比+44.69円と3営業日ぶりに反発し、23808.06円で取引を終えました。目立った材料はなかったことから、前日に下落した反動と考えられます。ただ、米シャットダウン(政府機関の一部閉鎖)への懸念から米ドル/円が110円台へ下落したことや、来週の日欧の金融政策決定会合を控え、後場は上値の重い展開となりました。

(今後の見通し)

今週の日経平均は、一時1991年11月18日以来となる24000円台まで上昇しました。ただ、日本独自の材料には乏しかったことから、NYダウの上昇など外的要因が日経平均の上昇材料だったと考えられそうです。実際に、日経平均は24000円を達成した後、利益確定の売りに押される形で週後半は上値の重い展開となりました。来週は22-23日に日銀の金融政策決定会合が開催されます。市場は金融政策の据え置きを予想しています。ただ、会合後に公表される展望レポート(経済・物価情勢の展望)や、黒田総裁の記者会見が相場材料になる可能性はあります。

25日にECB理事会が開催されます。ロイターは16日、「3人のECB関係者が、来週の理事会で『債券購入を少なくとも2018年9月まで続ける』とする現在のフォワードガイダンスを取り下げる可能性は低いと明らかにした」と報じました。コンスタンシオ副総裁も足元のユーロ上昇に懸念を示し、政策のガイダンスの変更を急がないことを示唆しました。

ただ、11日に公表されたECB理事会の議事要旨(2017年12月13-14日開催分)では、2018年の早い時期にガイダンスの微調整に着手する可能性が示されました。ガイダンスの「債券購入を少なくとも2018年9月まで続ける」とする部分が修正される可能性は低いかもしれませんが、「規模や期間を拡大する可能性がある」とする部分は修正されるかもしれません。金融緩和縮小の方向性が少なからず示さるようなら、ユーロや独金利は一段と上昇しそうです。その場合、通貨高や金利の上昇を嫌気して、独DAX®には下押し圧力が加わるかもしれません。

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日銀:金融政策変更の可能性は?

日銀は9日、長期国債買い入れオペを通知し、残存10年超25年以下を1900億円、残存25年超を800億円と、それぞれ100億円ずつ減額しました。また、黒田総裁は2017年11月、低金利が金融仲介機能を阻害し緩和効果をそぐ「リバーサル・レート」のリスクに注意したいと述べました。一部では、金融機関の経営を支援する目的もあって、現在0%程度としている長期金利の誘導目標を引き上げるとの見方が根強くあります。他にも、株価の価格形成メカニズムへの悪影響などが懸念されるETF買いの買い入れ額を減額する可能性もありそうです。

2017年の国債の買い入れ額は約57兆円でした。市場にアナウンスすることなく国債の買い入れ額を減らす、「ステルス・テーパリング」とも呼ばれています。各国中央銀行が金融政策の正常化を進める中で、日銀も金融政策に変更を加える可能性はあり、23日の日銀の金融政策決定会合や黒田総裁の記者会見で何らかのヒントが示されるのか、国債買い入れ額の減少に関する説明がなされるのか注目です。

日本の生鮮食品を除くコアCPI(消費者物価指数)は、2017年11月に前年比+0.9%までインフレが加速しました。ただ、依然として日銀のインフレ目標(2%)を大きく下回っています。コアCPIの上昇は、堅調なエネルギー価格が大きく寄与したと考えられます。生鮮食品とエネルギーを除く11月のコアコアCPIは同+0.3%と、依然として0%近辺での鈍い伸びでした。

一部では、インフレ率が安定的に前年比+1%を上回るかが、日銀が金融政策の変更を行うための1つのハードルになるとの見方があります。インフレ率が前年比+1%を下回るなかで、日銀が金融政策の変更を決定するのは難しいかもしれません。ただ、インフレ率は徐々に上向きつつあるようにも見えます。

コアコアCPIと失業率で求めるフィリップス曲線は、徐々に上方へスライドしつつあります。下図のフィリップス曲線は失業率が低下(左へスライド)すると、コアコアCPIが上昇(上へスライド)する関係性を示しています。2017年11月の失業率は1993年11月以来となる2.7%まで低下しました。失業率を参考にすれば、コアコアCPIは一段と上昇する可能性があります。

日銀が9日に発表した2017年第3四半期の需給ギャップは+1.35%と、同年第2四半期の+1.18%から需要超過が拡大していることが示されました。需要超過は2016年第4四半期以降、4四半期連続です。需給ギャップはコアコアCPIに1年ほど先行しています。決定係数(R²)は0.557と決して高くはないものの、ある程度の相関性が見られます。
 

フィリップス曲線や需給ギャップを参考にすれば、コアコアCPIは2018年後半にも前年比+1%を上回る可能性があります。誤差があるため、あくまで参考値としてですが、失業率や需給面からみた物価上昇圧力は徐々に高まりつつあると判断することが可能です。早ければ、日銀は年内に金融政策の変更を決定するかもしれません。

(アナリスト 根岸慎太郎)

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

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