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2017/12/29 16:39【NYダウ】 2018年の展望

(レビュー)

29日の前場の日経平均は、前日の米国市場でNYダウが最高値を更新した流れを受けて小幅に反発しました。後場の日経平均は、為替市場で米ドル/円が米ドル安・円高方向へ振れたことが嫌気されて反落し、前日終値比-19.04円の22764.94円で取引を終えました。2017年の日経平均は2016年終値比+19%と、高パフォーマンスを記録しました。

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「今後の見通し:【NYダウ】2018年の展望」

サマリー
・景気後退懸念を背景にしたNYダウの下落は2019年以降か
・米税制改革の効果でNYダウはさらに上昇する可能性も
・FRBの利上げペースと米中間選挙がNYダウのリスク要因に

景気後退懸念を背景にしたNYダウの下落は2019年以降か

米長短金利差(10年債利回り-2年債利回り)は12月に入り、2007年10月以来となる0.5%台まで縮小(イールドカーブがフラットニング)しました。過去のデータを参考にすれば、逆イールド(米10年債利回り<米2年債利回り)になると、その1-2年後にリセッション(景気後退)局面が訪れており、2018年にイールドカーブのフラットニングが進むのか注目されます。

長短金利差とNYダウを比較すると、逆イールドとNYダウの下落のタイミングは必ずしも一致しません。ただ、過去3回のリセッション前の局面では、逆イールドと同時期か約2年後までにNYダウは下落しました。通常、株価も景気に先行するとされますが、長短金利差はNYダウに対してもある程度先行性があるとみることもできそうです。以上を参考にすれば、イールドカーブのフラットニングによる景気後退懸念を背景にNYダウが下落するのはまだ先になると考えられ、NYダウは2018年も底堅く推移する可能性があります。

米税制改革の効果でNYダウはさらに上昇する可能性も

2017年のNYダウの1つの上昇要因として企業収益の改善が挙げられます。NYダウの当年度の予想EPS(1株当たり利益)は12月22日時点で約1255.68ドルと、2016年末時点の1093.10ドルから改善しました。ただ、同予想PER(株価収益率)は19.71倍と、2016年末時点の18.08倍から上昇し、NYダウの割高懸念は一段と高まりました。
 

2013年以降の平均予想PERは15.78倍、トランプ・ラリーが始まった2016年11月以降でみても予想PERは17.82倍と、NYダウは割高が懸念されます。足元の予想EPSとトランプ・ラリー以降の予想PERの平均で求めるNYダウの理論値は22331.30ドルとなり、現在のNYダウは理論値を10%程度上回っていると算出することができます。Bloombergによれば、2018年度の予想EPSは10%程度の伸びが予想されています。NYダウの価格が現行水準と仮定して、予想EPSが予想通りの伸びとなった場合、NYダウの割高は修正されます。

トランプ大統領の経済政策が予想EPSを押し上げ、NYダウの上昇材料となる可能性があります。米税制改革法案は12月22日、トランプ大統領の署名を経て正式に成立しました。法人税率は2018年1月から、今までの35%から21%へ引き下げられます。

現時点の2018年度の予想EPSにどの程度減税効果が織り込まれているかによって、NYダウの理論値は変化しますが、米税制改革が予想EPSを幾分か押し上げるのであれば、NYダウはさらに上昇する可能性があります。

FRBの利上げペースと米中間選挙がNYダウのリスク要因に

前述で述べたように、FRBの利上げペースは2018年のNYダウのリスク要因となりそうです。FOMCでは、FOMC参加者が2018年に3回の利上げを予想していることが示されましたが、市場は足元で2回程度しか織り込んでいません。利上げペースが予想と異なれば、米金利動向に大きく影響しそうです。利上げに伴って、イールドカーブのフラット化が進むのかに注目しておく必要があります。

2018年11月6日に米中間選挙が予定されています。12月12日に実施された米連邦議会の上院補欠選挙(アラバマ州)では、民主党のジョーンズ候補が共和党のムーア候補に僅差で勝利しました。この結果を受けて、上院では共和党51対民主党49となり、勢力は一段と拮抗しました。伝統的に共和党が有利とされるアラバマ州で民主党議員が勝利したことは、2018年の中間選挙でも意識されるかもしれません。

中間選挙で上院か下院、あるいは両院で民主党が過半数を獲得する可能性もあります。その場合、トランプ大統領の政権運営は難しさを増しそうです。米政治の不透明感が高まれば、NYダウの重石となる可能性があります。前述でNYダウは2018年も底堅く推移する可能性を示しましたが、年後半にかけては、中間選挙を背景にNYダウは上値の重い展開となるかもしれません。

新年は1月4日から配信いたします。
皆様におかれましては、良いお年をお迎えください。

(アナリスト 根岸慎太郎)

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

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