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2017/11/10 16:26日経平均の上昇は一服か!?

(レビュー)

10日の日経平均は前日終値比-187.29円と、3営業日続落し、22681.42円で取引を終えました。3営業日続けての下落は9月4日-6日以来、約2か月ぶりです。米税制改革への懸念から前日の米国市場で主要な株価指数がそろって下落したことや、米ドル安・円高が日経平均の重石となりました。

(今後の見通し)

米上院共和党の税制改革案では、法人税減税の実施を2019年に先送りする案が盛り込まれることが明らかになりました。一方、米下院歳入委員会は9日、税制改革法案を承認しました。下院案では、法人税減税の実施は2018年です。

下院は来週にも税制改革法案を採決する見通しですが、上院案との違いが目立つことから、採決後の上院案と下院案のすり合わせが難航し、税制改革が後ズレする可能性もあります。それは、米株や米ドルの上値を抑える要因となるかもしれません。引き続き、税制改革案のゆくえに注意が必要でしょう。

来週は14日にドイツとユーロ圏の第3四半期GDPが発表されます。引き続きユーロ圏景気の堅調が示されるのか注目です。15日には日本の第3四半期GDPが発表されます。第3四半期は同+1.3%と、第2四半期の前期比年率+2.5%からは鈍化が予想されています。ただ、前期比ベースの予想は+0.3%と、7四半期連続でプラス成長が見込まれており、緩やかな成長が続くとの見方が広まれば、日経平均のサポートとなりそうです。

英国では、14日に10月のCPI(消費者物価指数)、15日に10月の小売売上高や雇用統計が発表されます。インフレ率の上昇を背景にBOE(英中銀)は約10年ぶりの利上げを実施しました。ただ、ブレグジットの不透明感を背景に英景気には鈍化の兆しが見られます。BOEが緩やかなペースにせよ金融引き締めを行う中で、英景気の鈍化が示されれば、英FTSE100の下押し要因となるかもしれません。

米国では、15日の小売売上高や同CPIに注目です。FRBが重視するエネルギーと食料を除くコアは前年比+1.7%と、9月から横ばいが予想されています。低インフレ率を背景に米長期金利は上値の重い展開が続いています。CPIの結果を受けた米長期金利の動向が米株に影響する可能性があります。

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日経平均の上昇は一服か!?

今週は目立った材料がない中、日経平均は9日に一時1992年1月8日以来となる23382.15円まで上昇し、日経平均の過去最高値38957.44円とバブル破裂後の最安値6994.90円の半値戻し(=22976.17円)を一時的に達成しました。

ロイターによれば、企業決算の発表を終えたTOPIX採用企業の収益は前年比+22%(9日時点)と堅調です。日経平均に採用されている企業のみなら同+30%と、堅調な企業決算が日経平均の予想EPS(1株当たり利益)を1500円台まで押し上げたことが、日経平均の支援材料となりました。ただ、企業決算の8割は発表を終えており、ここから企業決算を材料に日経平均が一段と上昇するのは難しいかもしれません。

世界の株価と比較し、日経平均が出遅れていたことが海外投資家の資金流入につながったとの見方もあります。ただ、2016年以降で見れば日経平均の出遅れはかなり修正されました。2017年以降で見ると、日経平均はNYダウに次ぐパフォーマンスで、NYダウとのパフォーマンスの差は1%程度に過ぎません。日経平均の出遅れを根拠にした外国人投資家の資金流入は一時的に一服する可能性もありそうです。

日本取引所グループの投資部門別売買状況によれば、外国人投資家は9月末以降、現物の日本株を毎週1000憶円以上買い越していました(下図、緑枠)。10月30日-11月2日の週では外国人投資家の買い越し幅が472億円まで縮小(下図、オレンジ枠)し、外国人投資家の日本株買い越しに一服感が見られます。

日経平均はここまでほぼ右肩上がりの上昇を続けてきましたが、9日の日経平均の乱高下で投資家心理が悪化した可能性があります。加えて、外国人投資家の日本株買いにも一服感がみられることから、日経平均は上値の重い展開となるかもしれません。

日経平均と相関性のある米株の動向にも注意が必要です。米株は予想PERなどを参考にすれば、依然として割高と判断できる水準です。その中で、税制改革などへの懸念を背景に米株が調整した場合、日経平均がもう一段調整する可能性には注意が必要かもしれません。

(アナリスト 根岸慎太郎)

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

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