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2017/11/02 16:37NYダウの動向が堅調な日経平均の下押し要因となる可能性も

(レビュー)

2日の日経平均は2営業日続伸し、前日終値比+119.04円上昇。1996年6月26日以来となる22539.12円で取引を終えました。足元の堅調な米経済指標や米FOMCの結果を受けた米ドル高・円安が日経平均のサポート材料となりました。

(今後の見通し)

11月27日に発表された米第3四半期GDPは前期比年率+3.0%と、米経済の底堅い成長を示しました。また、10月の米ADP雇用統計は23.5万人増と、ハリケーンの影響が表れた9月から大幅に改善しました。10月の米ISM製造業景況指数は58.7と、市場予想を下回りましたが、経済活動の拡大・縮小の境目である50を14カ月連続で上回りました。米経済指標で米景気の堅調が示されている点は、米国株にとってプラスとなりそうです。ただ、米金利の動向や次期FRB議長人事、米税制改革などが、割高が懸念される米国株の下落材料となるかもしれない点には注意が必要です。

10月31日から11月1日に開催された米FOMCでは、金融政策の据え置きが決定されました。声明では、「労働市場は引き続き力強さを増し、経済活動はハリケーンの被害にもかかわらず堅調に推移している」との認識が示され、12月の追加利上げに含みを持たせる内容でした。3日に発表される10月の米雇用統計などの結果を受けて、2018年以降についてもFRBの利上げ観測が高まり、米金利に上昇圧力が加われば、米国株の下押し要因となるかもしれません。

トランプ大統領は1日、次期FRB議長を2日(日本時間3日未明)に発表すると表明しました。米主要メディアは、パウエルFRB理事が次期FRB議長に指名される見込みと報道しています。ハト派と目されるパウエル理事が有力との報道が米金利や米ドルの下押し要因となる場面が見受けられましたが、最近の講演では「経済情勢が予想通りに展開するなら、金融政策の正常化を継続すべき」と発言しています。基本的に現行路線が継承されるとみられ、同氏が指名された場合、市場の反応は限定的となりそうです。

米税制改革のゆくえがNYダウの下押し材料となる可能性があります。米共和党が1日に予定していた税制改革法案の提示は、個人所得税の減税規模などで調整が難航していることもあり、2日以降にずれ込みました。

米下院予算委員会のブラック委員長は1日、税制改革法案を2日午前9時(日本時間2日午後10時)に公表する予定と述べました。ただ、同時に共和党が法案の文言を引き続き調整しているとも述べており、法案の提示がさらに遅れる可能性もあります。市場が税制改革への期待をかなり織り込んでいるとみられるなかで、税制改革の不透明感が高まれば、米国株や米ドルの下落材料となるかもしれません。

NYダウの動向が堅調な日経平均の下押し要因となる可能性も

今週の日経平均は一時1996年7月1日以来となる22540.25円まで上昇しました。バブル破裂以降に付けた1996年6月26日の最高値22750.70円に迫っていることや、1989年12月29日に日経平均が記録した過去最高値38957.44円と2008年10月28日の安値6994.90円の50%戻しが23000円水準であることなどから、日経平均は重要な節目に差し掛かっているとみることもできそうです。

足元の予想EPS(1株当たり利益)は1400円台まで上昇しており、企業収益の改善が日経平均のサポート要因の1つになっていると考えられます。予想PER(株価収益率)は15.24倍(11月1日時点)と2013年以降の平均とほぼ同水準です。予想PERを参考にすれば、日経平均に懸念されるほどの割高感は見られません。ただ、予想EPSと2013年以降の平均PERで求める日経平均の推計値は約22800円(1471.13×15.56)です。日経平均の一段の上昇には慎重になる必要があるかもしれません。

NYダウの予想EPSも足元で上昇しており、それが堅調なNYダウの1つの要因となっています。ただ、NYダウの予想PERは18.49倍(1日時点)と、2013年以降の予想PERの平均15.59倍に対し、割高が懸念されます。そのNYダウと日経平均には比較的高い相関性が見られます(週次データの相関係数は0.81、決定係数は0.66)。割高が懸念されるNYダウが米金利上昇や米税制改革を背景に調整した場合、日経平均にも下押し圧力が加わる可能性には注意が必要でしょう。

(アナリスト 根岸慎太郎)

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

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